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外科用X線撮影装置(Cアーム) お客様の声 難治性外側上顆炎に対する、Cアームを用いた血管内治療(TAME)の紹介 TAME:Transcatheter arterial micro-embolization |
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はじめに | ![]() |
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我々は微細な増殖血管を塞栓する治療法によって慢性的な痛み症状が改善することを、腱炎付着部炎、肩関節周囲炎などで報告してきました(参考文献1、2)。 微細な血管をターゲットとする本治療法を「経動脈的微細血管塞栓療法」(Transcatheter arterial micro-embolization:TAME)と呼んでいます。 一言で「塞栓」といっても、組織の栄養血管の全てを永久的に閉塞させてしまえば、当該組織は壊死に陥ります。私たちのTAME治療では、このことを防ぐために、塞栓作用時間が極めて短い、一時的な塞栓物質を用い、かつ最低限の使用量で異常な血管だけをターゲットにした治療をしております。このため、虚血の合併症を起こさずに治療することが可能です。
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術前評価 | ![]() |
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術前評価として超音波診断装置のカラードップラ機能を用いて外側上顆周囲の血流評価および血管分岐パターンの把握を行なっております。ドップラシグナルはECRBの付着部の腱実質内の観察されることもありますが、それ以外にも外側上顆周囲や腕橈関節部など、他部位に認められることもあります。速度レンジを落として、低流速のシグナルも拾うように設定しています。
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TAME治療の手順 | ![]() |
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1. カテーテル挿入口の作成 2. カテーテルの挿入 上腕動脈まで進めた親カテーテルの先端から造影剤5mlを投与して、肘窩全体の血管撮影を施行します。OEC9900では前出の血管造影撮影用プロファイル(DRM)を有しており、血管観察のために最適化したサブトラクションモードにて、投与した造影剤のみを最適なコントラストで透視描出することができます。
3. 圧痛の確認 4. 異常血管の有無の確認
異常血管が確認されたら、先端1.7Frの子カテーテル(外径0.56mm)を親カテーテル内から挿入し、橈側反回動脈内まで進め、フローが保てる範囲で可及的に病変部に近づけます。 本症例では、外側上顆に認められた異常血管は、極めて少ないものでした。このことは術前評価でのカラードップラシグナルの所見とも一貫しています。 |
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5. 塞栓物質の作成 6. 塞栓手技 濃染像と圧痛所見の消失or大幅な減少が確認できたら、5-10分間待機します。待機後に再び血管撮影を行います。一般的に塞栓物質は時間が経過すると、動脈内の圧により深部に押し進められるために、異常血管による濃染像が再び見えてくることが多いです(初回ほどではありませんが、ある程度は残存しているのが確認できることがあります)。異常血管による濃染像の残存が確認できたら再度イミペネム・シラスタチンを投与します。 2回目の投与から再び5-10分待機して、再度血管撮影を行います。異常血管が大幅に減少していれば塞栓手技を終了します。血流が豊富で再び異常血管が明らかに認められる場合は、同じ塞栓物質を再度投与して終了するか、あるいは球状塞栓物質の投与を検討します(球状塞栓物質はアクリルポリマーなどでできた球状の粒子製剤です。体内にとどまる期間は1ヶ月以上とされます。使用に不慣れな状態では、正常組織の栄養血管を広範に塞栓する可能性があるため、注意が必要です。十分に希釈したEmbosphere100-300μmなどを用いて、あくまでも濃染像の消失をエンドポイントとし、必要最低限の量を投与します)。
塞栓手技が終了したら、親カテーテルから肘窩全体の血管撮影を再度施行します。橈側反回動脈のほかに異常血管が見られる可能性があるのは、骨間反回動脈、または上腕動脈から外側上顆に向かう橈側側副動脈です。これらの血管をチェックして異常がなければ終了とし、異常血管があれば同様に塞栓手技を施行します。 6. カテーテル抜去 |
TAME治療の臨床成績と今後の課題 | ![]() |
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当施設では2012年から同治療法を施行し始め、難治性の腱炎付着部炎の70例以上を治療しました。そのうち治療後1年以上経過を観察した外側上顆炎20例について臨床結果をまとめています(論文投稿準備中)。20例施行した中で1例を除いた19例で明らかな異常血管を認めています。異常血管を認めた19例では全例で治療後に疼痛の減少が得られています。満足のいく除痛は治療後すぐに得られるケースもありますが、ゆるやかに疼痛が減少していき治療後2,3か月経過してから満足が得られる方が多いです。 また19例のうち3例は除痛が得られてから4か月以内に症状の再発があり、再治療をしています。安全性については、全例で経過中に皮膚変化、筋萎縮などの変化、塞栓領域の知覚異常、エコーにて腱実質内の変化を観察していますが異常は認めていません。また一部の症例では治療後のMRIも撮影し、骨壊死や筋委縮、腱内断裂、軟骨の変化など観察していますが異常は認められません。 他治療との比較試験を行なっていないことから、本治療法の優位性を示すデータはありません。今後、臨床試験をかさねることで検討すべき課題であると言えます。 【参考文献】
製品情報・薬事情報はこちら↓ GEヘルスケアジャパン公式サイト ※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。 |
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