核医学検査装置 お客様の声 PET/CT Discovery IQによる 薬剤負荷アンモニアPET心筋血流検査: Q.Clearの心筋血流画像における画質改善効果について |
名古屋放射線診断財団 |
はじめに |
前回のSmart mailで当院 小島が報告したように、当院では2015年5月に新しいPET/CTカメラDiscovery IQを導入した。本カメラは高感度のBGOクリスタルにLightBurst Detectorを搭載し、さらに新しい再構成法であるQ.Clearの使用が可能である。
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症例1: 正常ボランティア |
症例2: 虚血症例 |
症例は66歳男性、慢性腎不全で2008年から血液維持透析を受けている患者で夜間や血液透析時の非典型的な胸痛があり、精査のために薬剤負荷アンモニアPET心筋血流検査を行った。ASOや造影剤アレルギー、および糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙等の複数の冠危険因子を有する患者で、カルシウム拮抗薬、β遮断薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬を内服中である。安静時心電図では完全右脚ブロックを呈し、心エコーでは壁運動異常はなく(LVEF 60.9%)で、軽度の僧房弁閉鎖不全および大動脈弁閉鎖不全を伴っていた。 Imaging protocol 心筋血流画像所見
図6にQ.Clearの心筋血流像の画質への効果を示す。Q.Clearで再構成を行った画像では、正常潅流の領域では均一な集積を示し、冠動脈狭窄を示す低潅流域では集積低下がみられ、VUE point HD-Sで作成した画像に比して、虚血部位と非虚血部位の境界がより明瞭になった。Q.Clearによって正常部位と異常部位の同定がより明確となりうると思われる。
臨床経過
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考察 |
新しいPET/CTカメラ Discovery IQによってクリアな心筋血流画像がえられ、心筋虚血の同定が可能であった。LightBurst Detectorを搭載したBGOカメラで、3D収集でも心筋血流の測定が正確に行うことが可能であった。さらにQ.Clearによって心筋虚血部位の検出がより正確に行うことができると考えられた。
※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。 |