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 当院のアラジン アプリケーションの紹介
 99mTc-GSAを用いた肝機能解析

 

岡山大学病院 医療技術部 放射線部門
中嶋 真大 先生

 

当院では,核医学データ処理装置であるXelerisを使用している。Xelerisでは,核医学解析用プログラム作成用ソフトウェアであるアラジンプログラム機能が搭載されている。アラジンは,Visual Basicを用いており,ユーザーの要望に沿ったソフトウェアの作成が可能である。
今回,アラジンで作成し,臨床で使用している99mTc-GSAを用いた肝機能解析について述べる。
検査には,Discovery NM/CT670 Proを使用している。99mTc-GSAを静脈投与直後からDynamic撮影を30分行う。次に,SPECT撮像を行い,続けてCT撮影を行っている。
図1に当院で算出しているパラメータを示す。

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(図1)

一般的にHH15とLHL15を算出するが,当院では,独自の解析法であるK-GSAを,HH15とLHL15と合せて算出できるようにしている。
K-GSAは,肝摂取速度指標であり,図2にK-GSAの算出方法を示す。

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(図2)

K-GSA算出には,Coと,Coが半分になる時間tが必要になる。これをDynamic撮影から得られたTime Activity Curveから算出する。
図3に実際のアラジンでの解析画面を示す。

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(図3)

Coを算出するために,肝臓のTAC(黄色)を点線の赤の範囲(10分)で近似して,グラフ(赤色)を作成する。図3に示すように,各値を算出し,K-GSAを算出する。
結果画面を図4に示す。当院でのK-GSAの正常値は,0.12~0.15である。

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(図4)

肝機能容積は,横断面のSPECT画像から,Threshold法でROIを囲み,肝機能容積を算出する。これは,肝切除シミュレーションを用いた残肝予備能で使用する。 肝切除シミュレーションを用いた残肝予備能は,肝切除後の肝不全を回避するためには必須である。当院では,K-GSAの値と,残肝機能容積率を用いて,残肝予備能の評価を行っている。
図5に示すように,CT画像上で,各スライスに対して,術式に沿った肝切除を行う。
それが,核医学画像上に反映されて残肝機能容積を算出する。
また,全肝機能容積との比率を算出し,残肝機能容積率を算出する。
SPECT/CTで検査を行っているため,核医学画像とCT画像との位置ずれは最小限に抑えられている。またCT画像上で,術式に沿った肝切除を行うため,正確な残肝機能容積率の算出が可能である。

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(図5)

図6に結果画面を示す。

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(図6)

この症例は,肝拡大左葉切除と,左3区域切除を検討しており,それぞれの残肝機能積率は,67.27%,40.32%となった。そして,図7に示すように,K-GSAとそれぞれの術式のよって算出された残肝機能容積率との積を算出する。
当院では,0.07以上で,手術可能にしている。この症例では,肝拡大左葉切除が行われた。

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(図7)

 

 まとめ

アラジンは,ユーザーが作成可能であり,装置の入替え等が発生しても従来行っていた解析法の継続が可能である。
なお、アラジンから算出された結果に間違いがないか、ユーザー自ら検証する必要がある。

 

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