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 核医学検査装置 お客様の声
 Basic study of the bone SPECT Quantitation


 

島根大学医学部附属病院 放射線部
山本 泰司 先生
  山本先生

 

近年核医学において、定量という言葉が非常にトピックスになっておりますが、定量は不変でいつでも同じ値が出なければいけません。いつでも同じ値を出すためには、最適な条件を出して各施設それを固定して使う必要があります。
その最適な画像再構成条件を出すために骨シンチをターゲットにしてNEMA bodyファントムを使って最適の画像再構成条件を検討しました。

FDG PETではSUVと言うような指標があり、エビデンスも多数あります。骨SPECT/CTでも最近SUVと言う指標が使われるようになりましたが、それについては最適な画像、画像収集条件によって変動する可能性があります。臨床で使うには基礎検証が必要です。

SPECT SUVを算出するのためにはQ.Metrix以外にxSPECT QuantとかNMPのGI-BONEがあります。この研究の目的はNEMA bodyファントムを使ってQ.Metrixの骨シンチをターゲットとしたときの最適の再構成条件を求め、その条件を臨床適用することです。

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島根大学の装置はGEのDiscovery NM/CT 670 Pro、Xelerisはバージョン3.1、収集条件は6度ステップ、30view、EvolutionとDEW、CTは非常に低い線量で被ばくを抑えています。

NEMA bodyファントムはバックグランドとホット球の比が8:1になるように調整しました。結果的にはキューリーメータで実測したら7.7:1になりました。これをリファレンスの値として検討しました。ファントムをSPECT/CTで撮像し、さまざまな再構成条件で画像を作成し、Q.Metrixで解析して比較しました。

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各プロトコールは、OSEMのイタレーションの可変、ポストフィルタの有無、フィルタ使用の場合、カットオフ周波数の可変、分解能補正の有無、散乱性補正を可変させました。これにより、SUV、プロジェクションカウントの変化を求めました。またカウントを減らした際のSUVの変化も検証しました。さらにプラナーセンシビリティーのキャリブレーションの値も、リファレンスの値70に対し可変させた場合も検証しました。

結果は、イタレーションの回数を増やしていくとSUVが大きくなりました。イタレーションを増加させると、当然SUVは収束していき画像としてはシャープになりました。

最適なイタレーションの回数に関して、グラフに示します。縦軸がDiameter、NEMA bodyファントムの径、横軸がイタレーションの回数で、真値(7.7)に対する誤差をパーセントで表しています。22㎜と28㎜のところが安定していますので、この径をターゲットにして評価しました。結果、イタレーション回数3にて誤差が10%以内となり、またサブセットは10が最適でした。

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分解能補正の有無は、有りの方がSUVは高くなり、画像としても良好な画像となりました。

また分解能補正を行ったほうが22㎜、28㎜で10%以内になります。分解能補正無しだと過小評価されるので、分解能補正を行う方が最適であると考えます。

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フィルタに関して、カットオフ周波数を上げていくとSUVが高値になりました。22㎜と28㎜径ではフィルタなしの場合は誤差10%以内にだが、フィルタを使うとSUVが変動するため、少なくともSUV算出する際はフィルタ無しが最適と考えます。

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プロジェクションカウントを減らした場合での検討は、可変させても一定の値を示していました。非常に安定した結果となったのでQ.Metrix安心して使用できると思います。

28㎜径では、100%に対してカウントが75%、50%、25%に減っても0.3%以内に誤差が収まり、22㎜径では4%以内の誤差に収まっているので、プロジェクションカウントはあまりSUVに影響しないことがわかりました。

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プラナーセンシティビティーに関しては、きちんと計測したプラナーセンシティビティーを入力しないとSUVに大きな誤差が出ます。70.5だと10%以内に収まるが、測定せずに適当な値を入れてしまうと誤差が生じます。

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散乱線補正に関して、スキャッタウェイトのGE推奨は1.1ですが、固定して使わないと、SUVが多少変化するので、最適な条件を自施設で固定して使うことが重要です。1.1だと10%以内に収まり、GE推奨の値で、安定していると考えます。

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以上まとめますと、ファントムの計測からホット球の径が小さくなると部分容積効果の影響からSUVが過小評価されます。今回SUVをいろんなパラメータで測定しましたが、当然SUVの変化が見られます。各施設で最適な条件を求めて固定して使うことが重要です。以上の検討より、島根大学での最適条件はイタレーション3でサブセット10、CTAC、散乱補正、分解能補正、3Dポストフィルタは無しとしました。

 

 

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