独立行政法人地域医療機能推進機構 徳山中央病院 |
今回は、SUV定量ソフトウェア「Q.Metrix」の臨床適用について
前回のミーティングでは、ファントムを用いたQ.Metrixの基礎的な検討、SUV評価の限界について報告させていただきましたが、今回は、臨床において、Q.Metrixから算出した SUVが活用されるためには、何が必要なのか検討してみました。
では、Q.MetrixのSUV定量を臨床に使う可能性を探ってみました。
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[心筋シンチ] |
Q.Metrixが導入されてまず期待したのが心筋シンチでした。
図5はマツダ病院の森広先生から頂いたデータですが、テクネシウムの安静時で一定放射能量を投与していますが、BMIや体重と心筋カウントの関係を見たときに、例えば体重の60㎏ぐらいのところで下は50カウントから上は120~130、つまり2.5倍くらい差が出ます。正常と思われるところでこれほどのばらつきがあります。
三枝病変例でのSUVの分布に関しては今後の検討事項ですが、SUVだけで、虚血を判断するためには青で示したバンドぐらいに収まる必要があると思われます。
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[肺血流] |
次に肺血流です。
(図7)SPECT評価ファントムで例えれば、同じ放射能濃度でも上段左の陽性像と上段右の均一評価像(プールファントム)のカウント差が出るように、肺の場合は左側の画像に相当し、カウントを過小評価しています。この辺りにSPECT分解能の限界を感じます。回転半径が最大に近いところで撮影していますのでPVEの補正においてはかなり不利な状態です。左側の下のグラフが示すように一番上に示されるものが均一ファントムのプロファイルカーブ、二番目の山並みになっているのが肺を模した陽性像ファントムからのプロファイルカーブです。SUVで20%ぐらいの差が出ても致し方無いと考えています。理想的な夢は右下のCTのプロファイルカーブですけどもここまでの矩形波が出ることは現在のアンガー型カメラでは難しいと考えます。
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[線条体シンチ] |
線条体シンチ(DATSCAN)についても検討しています。
ドーパミントランスポータのPETのデータでも線条体とBrainのウォッシュアウトがいろいろな結果を示しますので、
次に通常の静注後3時間後のDATSCANについての定量について検討します。
SPECTにて線条体と小脳SUVを求めての関係をみてみました(図11)。
SBRと線条体SUVmeanの相関ですが、低い相関でした。
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[内部被ばく線量計算] |
最後に、臨床とは離れますが、一つ期待できるのが内部被ばく計算です。
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[まとめ] |