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 核医学検査装置 お客様の声
 塩化ラジウム(223Ra)を用いた去勢抵抗性前立腺癌による骨転移のイメージング
 

 

病院の所在地である岩手県宮古市は、三陸海岸のほぼ中央・本州の最東端に位置し、沿岸南部・北部と内陸を結ぶ交通の要衝にあります。
宮古病院は、宮古市の中心部から北東約5kmの太平洋が一望できる高台に位置し、病床数297床(結核病棟10床含む)で、1日平均30名の救急患者と1日平均7台の救急車を受入れ、1日平均入院患者は238名で平均在院日数は14.2日、外来患者は1日平均475名です。現在、宮古地区は人口10万人当たり医師数が115人で、盛岡地区の283人の半分以下と岩手で一番医師の少ない地域で、その中で宮古病院は医療圏8万7千人を支える広域基幹病院です。

病院
先生方
●岩手医科大学附属病院 放射線科治療科
 教授 有賀 久哲 先生
●岩手県立宮古病院 放射線技術科
 技師長 岩城 勝 様
 技師  中村 英顕 様
 技師  鈴木 昌彦 様

当院では2016年11月より去勢抵抗性前立腺癌の治療薬 塩化ラジウム注射液 ゾーフィゴ®静注を導入しました。ゾーフィゴ®静注治療前後では必ず骨シンチを施行していますが、今回ゾーフィゴ®静注のイメージングを検討してみました。

まず、ゾーフィゴ®静注についてですが、この薬剤にはアルファ線を放出するラジウム-223が含まれています。このラジウム-223には、骨の成分であるカルシウムと同様に骨に集まりやすい性質があり、注射で体内に送られると、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く集積します。そして、そこから放出されるアルファ線が、骨に転移したがん細胞の増殖を抑制します。こうした作用により、骨転移した去勢抵抗性前立腺癌に対して治療効果が期待できます[※1]
ラジウム-223の線源を用いて収集したスペクトラムはおおまかに5Peakありますが[図1、※2]、イメージングにあたりどのようなエネルギー設定で収集するのが一番良いか検討してみました。 図1
図1. ラジウム-223 エネルギースペクトラム

今回は3Peakのウインドウを設定し、3Peak[図2]と1Peak[図3]のイメージを比較してみました。
収集の詳細条件は表1に示します。

図2
図2. 3Peak ラジウム-223 イメージング

 

図3
図3.1Peak(84keV) ラジウム-223 イメージング

 

表1
表1. 収集条件

3Peakイメージと1Peakイメージを比較したところ、3Peakイメージのほうがカウントは多く収集されますが1Peakイメージのほうがコントラストが良い印象を受けます。

骨シンチ画像と比較すると、胸椎、腰椎、仙骨等に両方に一致する集積が確認出来ます。

図4
図4. 比較イメージ

ラジウム-223の主要排泄経路は糞中排泄であるため、やはり腸管への集積が目立ちます。
また、ゾーフィゴ®静注治療の場合は必ず骨シンチ検査を施行していますが、骨シンチ画像とラジウム-223収集画像をFUSIONすることでより多くの情報も得られると考えます。
図4.中央は骨シンチ画像とラジウム-223の1Peak(84keV)収集画像のFUSION画像ですが、ラジウム-223単独収集ではわかりづらい位置関係を把握することも可能になります。
今後は、全6回のゾーフィゴ®静注投与を用いた治療経緯を骨シンチ画像、腫瘍マーカー、GI Boneソフト等で定量的に評価する方法なども検討していますので、また報告を予定しています。

 


【注釈】

    ※1
    出典:http://abcde.com/aaabbbccc/index.html
    バイエルWEBより(検索日:2016/1/10)
    https://www.bayer-hv.jp/hv/files/pdf.php/160602_XOF_D4_tenbun.pdf?id=11a8e4d8d1d0e54fe4558f032b8fee4d6
    ゾーフィゴ®静注添付文書

    ※2
    Dsicovery NM630を使用しての測定

※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

薬事情報

 

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