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 核医学検査装置 お客様の声
 当院PET/CTの撮像条件と使用経験

 

青森県立中央病院 放射線科
岩田 敏裕 様

 【はじめに】

2016年5月25日より当院でPET-CT検査が開始されました。
当院はデリバリー施設で岩手の北上ラボより18F-FDGの供給を受けています。
供給可能範囲ギリギリの場所の為、投与量が他の施設より少ない状況です。
そこで当院では、感度が優れている装置、GE社製Discovery IQ-5ringを選定しました。
今日まで院外の予約も含め、761件行ってきました。(2017年1月末時点)
これからも県内の地域医療に貢献できるよう、日々検討を行い、努力していきたいと思います。

 

 【特徴】

今回導入したDiscovery IQですが、特徴として検出器が5ringということで1Bedの撮像範囲が広いことがあります。これにより、頭部から骨盤まで5Bedで撮像でき、検査時間が短縮されています。
検出器のシンチレータはBGOを使用しています。BGOはLSOより発光減衰時間が長いので数え落としをする可能性が多くなるのですが、エネルギー弁別チャンネルを2つにしたことにより、発光減衰時間の長さを補うことができます。
また、もともとガンマ線の阻止能が高いBGOですが、シンチレータの厚さを30mmにしていることで感度を高くすることを可能としています。

 

 【機能】

呼吸同期システムはVarian社のRPMシステムを用いています。腹部に反射板を置き、赤外線を反射させ、カメラでその動きをとらえることで呼吸の波形を得ることが出来ます。この呼吸同期システムとPET/CT装置を連動させることで呼吸の動きに合わせ、特定位相のPET画像を収集することが出来ます。(Q.Static)
さらに、CTも呼吸同期システムと同期させ、得られたCT画像をPETの減弱補正に採用した呼吸同期PET画像を作成することが可能です。さらにこの呼吸同期PET画像を特定の位相に非線形加算処理することで、収集時間を延長することなく呼吸性移動の影響を抑えたPET画像を得ることが可能です。(Q.Freeze)

Q.Static   Q.Freeze
Q.Static   Q.Freeze

PET画像再構成にも新しいアルゴリズムが用いられております。これまで一般的に採用されてきたOSEM法ではIteration、Subset、filterの組み合わせで画質を調整します。Iterationの回数を増やすと画像は収束していきますが、同時にノイズも強調されていくので、S/Nが悪くなります。このためSUV値が完全収束するまでIterationを繰り返すことはできないと考えます。しかし、今回搭載された新しい再構成法(Q.Clear)はSUV値を完全収束するまでIterationを繰り返し、同時にノイズを制御する処理を行っているためS/Nを改善し、再現性の高いSUV値を提供することが可能になっています。

pic3   pic4
Q.Clearなし
SUVave:6.19
Std:2.93
  Q.Clearあり
SUVave:6.33
Std:2.29

 

 【撮像条件】
PET収集・再構成条件
収集
1Bed: 3min
頭部~骨盤で5Bed: 15min
Q.Static使用時: 対象Bed位置のみ6min
Matrix Size 192×192
 
再構成
Q.Clear β値400
 
CT撮影条件
管電圧 120kV
管電流 120mA (Smart mA使用)
N.I 35.00

 

※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

薬事情報

 

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