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◆はじめに◆ |
123I-FP-CIT SPECTが本邦で保険収載されて以降、パーキンソン病(以下PD)におけるドパミン神経の脱落を鋭敏に定量画像化する手段として、日本全国の病院で123I-FP-CIT SPECTが利用されるようになった。臨床現場においては、本態性振戦や薬剤性パーキンソニズム、特発性正常圧水頭症など病理学的にドパミン神経が脱落しない疾患とPDを区別するために特に有用である。 しかしながら、一般的に多く利用されている線条体全体の集積カウントを指標とした定量的解析においては、軽症なPDや被殻のみの集積が低下している症例において、正常値と判定されてしまうことを経験している。 そこで我々は、DATQUANTを用いて、健常者とPD患者の鑑別に最適化したカットオフの検討を行った。
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◆研究の対象と方法◆ |
<対象>
<方法>
<検討パラメーター>
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◆結果◆ |
<結果1:患者背景>
<結果2:ROC解析によるAUCの検討>
<結果3:PDの重症度との関連>
上記の結果より、PDの重症度と123I-FP-CITの集積との相関関係が得られた。
<結果4:カットオフ値の推定>
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◆結論◆ |
以上の結果より、当施設においては、下記の条件を123I-FP-CIT集積低下の判定基準に利用している。
海外の臨床試験においては臨床的にPDと診断されたにもかかわらず123I-FP-CIT SPECTでは異常のないScan without evidence of dopaminergic deficit (SWEDDs)が5-20%程度あると報告されているが1)、臨床現場においてはそれほど高い率ではない印象もある。今回得られた研究結果からも、より感度・特異度の高い適切な指標を用いることでSWEDDsの割合を減らすことは可能であり、123I-FP-CIT SPECTが臨床現場において、より有用な検査になると考えている。
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