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1.はじめに |
その2年後には待望のPET/CT、DiscoveryST(以下、DST 2004.11稼動開始)が導入されました。吸収補正にCTデータを使うことでTransmission Scan分の検査時間が短縮でき、患者さんにもやさしくスループットもあがりました。画質の向上はいうまでもなく、さらに後にバージョンアップし再構成にVuePointが使えるようになってからの綺麗な画像は衝撃的でした。 その5年後に呼吸同期機能が搭載されたDiscovery600(以下、D600 2009.8稼動開始)が導入されました。これも当時、日本初号機でしたが、呼吸同期で実際に動く肺の腫瘍を見た時もその動きに感動しました。また再構成にVuePoint HDが使えるようになり、さらにノイズの少ない綺麗な画像になりました。D600設置時から性能評価試験をGEの協力を借りながら自分たちで行い、数値としても性能の向上を確認できるようになりました。 D600も今回バージョンアップを行いDiscovery 610(以下、D610)となりました。Q.Clearが使えるようになり、体幹部での画像は今回導入したDiscovery MI(以下、DMI)のものと遜色ない画像が出せていると思います。 以下、DMI本体、コンソール、撮影・再構成条件、D610との使い分けについて述べます。 Advance NXi
(2002.4稼動開始) Discovery ST
(のちにDiscovery ST Elite performance) (2004.11稼動開始) Discovery 600
(のちにDiscovery 610) (2009.8稼動開始) Discovery MI
(2016.12稼動開始)
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2.Discovery MI本体 |
当初心配していたチラーでの水冷式のクーリングシステムですが、定期的にクーラント液の量を確認するぐらいで全く安定稼動しています。また全く新しいシステムであったので故障の心配をしていたのですが稼動開始以来、臨床を止めるような故障は1回も起こしていません。 これまで、PET装置の時から頭尾方向の視野は約15㎝でしたがDMIは約20㎝あります。PETの場合は全身撮影においてオーバーラップがあるので、これまでは実際の有効視野は1bedあたり12.5㎝でした。DMIも従来と同じオーバーラップ21%(オーバーラップは可変)で撮影できますので有効視野は15.8㎝になり1mを撮影するのに従来9bedでしたがDMIは7bedになりました。 これまで、患者さんの入る本体の円柱のトンネルの天井は真っ白で患者さんの目の焦点が合わせられなくなり気分が悪くなられる方もいましたが、DMIの天井には患者さんの目の焦点が合うように模様が描かれています。
DMIの校正線源は、DSTやD600と異なり環体ファントムで行います。DSTやD600に比べてキャリブレーションが早くなりました。導入後半年たちますが約3分で終わります。表示付き認証機器になり予防規程からはずせるため、発注や管理も楽になりました。また、環体ファントムは非常に軽く、扱いも簡単です。
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3.コンソール |
コンソールは左側に操作画面、右側に画像処理画面の二画面構成になっています。画像処理画面にはGE製ワークステーション AWの機能が搭載されており画像収集を行いながら画像処理ができます。当施設ではGE製 universal viewerを導入しuniversal viewer上で開設以来読影に使用されているGE製 核医学診断用解析装置Xelerisが動いています。
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4.撮影・再構成条件 |
撮影条件:
再構成条件:
全身と脳のβ値の検討から決定について:
CT撮影:
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5.DMIとD600の使い分け |
D600は導入当初、非常にきれいな画像であると思いましたが、DMIと比較すると明らかに画質が落ちます。そのため、DMIとの使い分けが必要かと考えました。D610にUpgradeすることでQ.Clear画像処理ができるようになり、体幹部ではDMIに近い画像が出せています。FDGの腫瘍検査ではQ.Clearを搭載したD610でも十分にきれいな画像が出せていると思います。
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6.まとめ |