社会医療法人生長会 府中病院 梅木 拓哉 様 |
【背景】 |
脳血流SPECT検査は、脳血管障害の病態評価や認知症の診断に有用であると報告されている。使用する薬剤にはTc-99mとI-123が用いられるが,当院では高血流領域の直線性が優れているI-123ヨード製剤を用いて検査を行っている。I123ヨード製剤を使用して検査を行う場合,使用するコリメータは拡張低エネルギー用汎用型コリメータ(extended low energy general purpose: ELEGP)を選択して検査を行うのが一般的である。
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【目的】 |
I-123脳血流SPECTにおけるCDR補正(Evolution)を用いた短時間収集の検討を行った。
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【使用機器】 |
装置はGE社製2検出器型SPECT装置Infinia 3を使用し,コリメータはMEGPコリメータを使用した。ファントムは株式会社京都化学社製Hoffman 3D Brain ファントムとCylindrical ファントムを使用し、11.3 kBq/mLの I-123水溶液を注入した(Fig.1)。解析ソフトウェアにはProminence processor ver 3.1を使用した。
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【方法】 |
【結果】 |
収集時間30minのFBP法と収集時間10,15,20,25,30minのOSEM with CDR法のコントラスト比の結果はそれぞれ1.36 ± 0.26, 1.69 ± 0.49, 1.74 ± 0.48, 1.80 ± 0.57, 1.82 ± 0.45, 1.83 ± 0.35となりOSEM with CDR法の方が高値を示した(Fig.3)。CVの結果は収集時間30minのFBP法では0.19 ± 0.01となり収集時間10,15,20,25,30minのOSEM with CDR法ではそれぞれ0.30 ± 0.02, 0.25 ± 0.02, 0.21 ± 0.01, 0.19 ± 0.01, 0.17 ± 0.01(Fig.4)となった。
Hoffman 3D Brain ファントムとCylindrical ファントムの結果画像を(Fig.5.6)に示す。
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【考察】 |
FBP法に比べOSEM with CDR法の方がコントラストは改善した。CDR補正(Evolution)を使用することで空間分解能は改善され、部分容積効果が改善したためと考える。均一性は収集時間30minのFBP法と収集時間25分のOSEM with CDR法は同等となった。CDR補正(Evolution)を使用することでノイズが抑制され、均一性が改善したためと考える。
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【結語】 |
I-123脳血流SPECTにおけるCDR補正(Evolution)を用いた短時間収集の可能性が示唆された.
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