GE Smart Mail vol.133


Voice and Image
 DXA(デキサ)X線骨密度測定装置 お客様の声
 DPXよりPRODIGY-Advanceに更新して

 医療法人社団 伊奈病院
 放射線科 村田 勝之 係長





 図1:村田係長とPRODIGY-Advance

先日、当院の石橋 整形外科部長より骨折低減のための骨粗鬆症リエゾンサービスについて紹介させて頂いた。この取組みは院内の様々な医療専門職に骨粗鬆症の知識の定着、そして患者さんの骨折低減に寄与している。取組の中でDXAでの骨密度測定は治療の効果判定の一翼を担っており、重要な検査である。

ますます重要性を増し検査数が増加していくであろう骨密度測定において、検査時間の短縮に繋がる操作性の良さや、測定時間の短縮が装置には求められている。
今回、GEのDXA装置であるDPX-NTからPRODIGY-Advanceに機器更新し改善点について初期経験より紹介させて頂く。

 1. 測定時間の大幅な短縮(図2)

PRODIGY-Advanceに対して一番の好印象は測定時間の大幅な短縮である。従来のDPXシリーズはペンシルビーム形式であったため、拡大誤差のない正確な数値を算出していたが測定時間に3分程度費やしていた。従来の腰椎DXAのみであれば問題視することはなかったが、腰椎・大腿骨の測定がルーチン化している昨今、患者ポジショニングを含めた患者拘束時間の短縮は重要なものになっている。

PRODIGY-Advanceはナローファンビーム方式を採用することで、拡大誤差のない正確な数値の算出の標準測定時間を30秒にした。更にAdvanceではクイックモードを搭載しており、安静が困難な方では10秒程度の測定も選択可能である。加えて1回のポジショニングで腰椎・大腿骨が連続的に測定可能なOneScanソフトをルーチンで使用することで、検査対象の患者を安心して拡げられる。
また短縮した時間で当院では全身測定によるDXA体組成計測の導入も検討している。

 2. 測定イメージの向上(図3)

意外と役立つ点として測定イメージの向上が挙げられる。ペンシルビームでもナローファンビームでも骨密度の数値は変化しないが、測定イメージの視認性があがっている。解析結果は自動算出されるが、自動解析が正しいか確認するのは検査担当技師としての責務である。このときDPXでは自動解析に対して疑念を抱き、イメージのコントラストなど変更して確認するのに時間を要する場面もあった。だがPRODIGY-Advanceでは測定イメージが良く、確認の作業の時間短縮に寄与している。勿論大前提として一般X線撮影がゴールドスタンダードなイメージである点には留意して頂きたい。

 3. 仰臥位での前腕骨測定の利便性(図4)

従来のDPXでは前腕骨測定は装置横に座り、測定する方式のみであった。勿論、前腕骨測定は基本として腰椎・大腿骨のポジショニングで測定不能な患者(検査台に寝れない患者)に限られるが、臨床の現場ではしばしば腰椎・大腿骨に加え前腕骨測定の依頼がある。この場合、患者は仰臥位のままで前腕骨測定が可能であり、肢位の変更なしで前腕測定が可能となり、患者への負担などが軽減できる。

このようなケースで仰臥位での前腕骨測定が可能になったことは、装置の大きな改善ポイントである。また当然として、前腕骨測定中も静止した状態が求められる。測定時間も、ペンシルビーム方式のDPXでは約5分ほどかかったが、ナローアングルファンビーム方式では、約30秒で計測が可能となった。この時間は、追加で前腕骨測定を行っても負担にならない程度である。座位では上体が不安定になる患者に対しても寝たまま前腕骨は有用である。

ただし従来の座位ポジショニングとは異なることから、院内のコンセンサスを事前に得る点で運用に関して慎重に検討する必要がある。

 4. 操作プラットフォームが変わらない、DXA操作アプリケーションのenCOREソフト

検査を担当とする技師として安心して検査出来るかはやはり操作面が挙げられる。以前よりいくら良くなろうと全く異なる方式等では検査に挑む場合などに戸惑いが起きてしまう。

新しいPRODIGY-AdvanceではソフトウェアバージョンがenCORE Ver 15.2に向上しているが根幹に変化はない。新しい機能としてImagePreview機能、Advance Hip Assessment機能、また、本邦独自の新しい基準値(JSBMR2012)も搭載されている。各所に新しい機能が追加されているが、基本的な操作プラットフォームに変更はなく、DPX使用経験をもつ者として安心して検査が出来る。

また以前より機能として存在したレポート形式のカスタマイズ機能であるコンポーザレポート機能がVer15.2では向上がみられる。特に全身測定ではサルコペニア(筋量減少症ともよばれる)に対する評価としてSMI(Skeletal Mass Index)をレポートに出力する機能が追加されている(図5)。以前GEのSmartMail上で国立長寿医療研究センターの原田先生の記事にもあるが、サルコペニアにDXAを応用していく上でSMIを自動算出出来る意義は高く今後ますます重要な指標となっていくと思われる。

 5. 以前装置の測定イメージを表示可能

先ほど挙げたImagePreview機能は測定時に同一患者の前回イメージを表示・比較をすることで測定範囲の再現性を向上させる機能である(図6)。これは非常に有用な機能であるが、装置更新した際にRaw データの移植は不可などが他モダリティ装置では多々ある。

しかしGEのDXA装置では従来のDPXでのRawデータを表記可能であり、今までのモニタリングの継続に加えて、再現性の維持にも貢献するだろう。

 6. まとめ

ますます加速する高齢化社会で、骨粗鬆症の適切な診断とスクリーニングの需要は増す一方である。この中で適切な機器への更新が出来、これを使うことで貢献していければと思う。

薬事情報

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