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MR お客様の声 Advantage Workstation を使用した MR Permeability Imaging(GenIQ)における薬物治療判定への活用 |
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Permeability Imaging解析ソフトウェア GenIQ について | ![]() |
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正常な脳血管にはBlood Brain Barrier(BBB)と呼ばれる関門があり、造影剤を含む様々な異物が脳に侵入するのを防いでいる。腫瘍をはじめとした病変部ではBBBが破綻し、組織が造影剤により増強される。通常、脳の造影検査は造影前後の画像から視覚診断を行っており、定量的評価ではない。腫瘍には造影剤が早期に染まっていくものから徐々に染まっていくものがあり、これらの差をとらえるために活用されているのがダイナミック検査である。 Permeability Imagingでは、多断面のT1強調画像を数十回繰り返し撮影するDynamic Contrast Enhanced法(以下、DCE法)で得られた画像を使用し、薬物動態モデル(図1)の手法を解析に用いている。この手法では、血管内血液と血管細胞外腔の2コンパートメントモデルとして、造影剤が血管内から血管外へ移行するものを捉えている。腫瘍の血管新生の増殖に伴い、血管浸透性をあらわすKtransが高くなることが知られており、fPV(Vp), Ve, Kepと合わせた解析を行うことで薬物治療判定への活用が期待されている(図2)。
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頭部領域での活用 | ![]() |
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当院では、脳腫瘍の治療効果判定のために、一般的な造影MRI検査を行っていた。近年、腫瘍血管を阻害する薬剤が開発されており、臨床科から薬剤効果判定を求められるようになった。2012年から行っているVEGFRペプチドワクチン臨床治験では、DCE-MRI法と共にMR Spectroscopy(以下MRS)を施行してきたが、2014年にGenIQソフトウェアを導入したことで、これを用いたPermeability解析が使用できるようになった。GenIQによって求められるKtransは血管浸透性を反映し、神経膠腫の治療評価を定量的に行える。一方、MRSにおいても、代謝情報から組織や細胞の活動を推測できるが、組織内に出血成分等が含まれている場合や副鼻腔近傍では、磁場不均一の影響で結果が不良になることがある。そのような場合においてPermeability解析はMRSの代替え検査として適用可能か検討を行った。
使用装置
DCE法撮像条件
MRS 撮像条件
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臨床例: 神経膠腫症例 38歳 男性 | ![]() |
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治療4週、8週、20週後のフォローアップを行った。一般的に造影T1強調画像をGenIQで解析したfPVは、造影剤の漏れ体積を示しており、GenIQではこのfPVをカラーマップとして表示できる。これにより治療効果を視覚的に評価することができた。定量的評価としてのKtarnsの計測結果は、4週後0.333min-1から8週後0.161min-1へと低下がみられ、治療効果が認められた(図3)。同時に行ったMRSでも、Cho/Cr 比は4週後の1.76と比べ、8週間後では1.31と相対的に低下しており(図4)、いずれの方法からも治療効果を認めた。
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総合評価 | ![]() |
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Permeability解析はMRSと同様に数値による治療評価が有効であった。更にPermeabilityのカラーマップをMR画像とフュージョンすることで、造影剤の染み出し領域を視覚的に確認できた。GenIQは、血管抽出機能の自動化により、Permeability解析の再現性に優れている。また、Advantage Workstation上で解析できるため、数回にわたるフォローアップ後のデータや機能画像でも、同スライス断面にて簡便に比較が可能となる。 今後もデータの蓄積を行うことで、治療効果判定に寄与するものと思われる。今回はPermeability画像を提示したが、他にもDWI のADC map、3D ASLのCBF mapとの比較や、CT Angiography、PETを含めたマルチモダリティフュージョンも可能である。今後これらを運用することで、さらなる臨床応用と発展が期待できる。 ※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。 |
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