アラームマネジメントの実際について(オンデマンドウェビナー)

【Special On-Demand Webinar】
ICUモニタリング、信頼して使ってますか?~アラームマネジメントを再考する~

演者: 後藤 安宣 先生
市立奈良病院 集中治療部部長 兼:救急・集中治療科部長


本Webinarへようこそ。今回のOn-Demand Webinarでは、市立奈良病院 集中治療部部長 兼:救急・集中治療科部長の後藤先生をお招きして、アラームマネジメントの実際についてお話しして頂きます。



内容
集中治療に関わる医療機器の数は年々増加し、各機器のモニタリング機能も多様化しかつ高機能化している。高機能であるが故に測定できるパラメータも増加しており、バイタルサインはもちろんさらに詳細な情報をモニタ上で瞬時に把握できること、すなわち“見える化”を実践できることは、集中治療に関わる医師・看護師・コメディカルにとって異常の早期認識、早急な診断・治療へつなげるために非常に重要である。
 各種モニタリングを行う上で、患者を守るためにアラームマネジメントが必須であることに異論はない。しかし、実際の現場ではアラームマネジメントに関していくつかのピットフォールがあり、混乱を招いているケースは少なくない。「迷惑」アラームが頻繁に発生すると、その度に患者ケアが中断し最終的にはアラームへの信頼の低下につながる。このような「ミスアラーム」という事象は日常茶飯事的に発生することが一般的に言われている。例えば、心電図における“ダブルカウント”では、『ダブルカウントする→心拍数が倍に表示される→アラーム上限値に心拍数の値が達する→アラームが発生する→ミスアラームと判り、アラーム停止ボタンを押す』、この一連の動作が1日何回行われているのだろうか?ICUにおいて48時間で発生したアラームの約64%が「ミスアラーム」であったという報告1)や、ミスアラームへの対応がスタッフのストレスにつながり「アラーム疲労」という言葉まで生じている。特にスタッフが少ない夜間ではミスアラームに慣れてしまい、よく言われている「オオカミ少年化」現象が懸念される。また、PADISガイドラインでは、睡眠中断に関わる外的要因の上位3つに「騒音」が含まれており2)、上記で述べたようなアラーム管理では睡眠障害を招く恐れもあり、患者への影響も否定できず改善すべき課題の一つと考えられる。
 このようなアラームマネジメントがモニタ機器の精度に委ねられていることについて、患者はもちろん現場の医療スタッフにとっても非常に不快なものであるのも事実である。日々の業務の中で、業務フローの向上についてはスタッフと密に話し合い最善策を生み出すことは可能だが、医療機器性能調整は現場では不可能であり、特に計測精度が重要だという事を認識している。重症ケアにおける医療機器のアラームというものは本当に患者毎にしっかりマネジメントができているのか、それとも医療機器を採用時にしっかり機種選定をしないとこの問題は解決できないのか、もう一度原点に返って再考してみたい。当院では、計測精度の高いモニタを採用し、必要アラームは確実に捉え、不必要アラームは極限まで抑えた運用を行い、そして静かな集中治療室を実現し患者のQuality of Life(QOL)を向上するため日々活動している。なぜ、モニタを信頼できているのか、なぜ静かなモニタリングを実現できているかについて述べたい。




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