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Revolution Maxima

JB10087JA

※本カスタマーボイスはお客様の使用経験に基づく記載です。
製品の仕様値として保証するものではありません。


製造販売:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
販売名称:全身用X線CT診断装置 BrightSpeed 医療機器認証番号: 217ACBZX00002000
販売名称:Revolution Maxima(レボリューションマキシマ 医療機器認証番号: 301ACBZX00013000

Revolution Maxima Select導入における
選定時のポイントと実際の運用

医療法人社団筑三会
筑波胃腸病院 放射線科
大谷 尚也 様



施設紹介
筑波胃腸病院は茨城県のつくば市に位置し、消化器専門病院として診療・治療を行い手術をはじめ、鼠経ヘルニアや肛⾨疾患に対する短期滞在手術、内視鏡下・腹腔鏡手術にも⼒を入れております。「すべて患者様中⼼」を目標に掲げ正確・丁寧かつ迅速な検査を提供できるよう日々努めております。


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筑波胃腸病院



装置入れ替えの経緯
Revolution Maxima Select導入前は他メーカーの16列CTを使用しておりましたが、管球容量2.0MHUと少容量であったため、頻繁にクーリングを起こし検査遅延が⽣じておりました。また、スキャン時間が長くなってしまい、呼吸の制御が困難なことも問題点と感じておりました。
当院ではこれまで同一メーカーへの更新をしてきたため、メーカーごとの操作性の違いに不安もありましたが、それ以上にクーリングとスキャン時間の長さに困っており、患者の負担が少なくなることを最優先に考えてメーカー問わず選定を行いました。その結果、当院ではRevolution Maxima Selectを導入することを決定いたしました。


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放射線科CT室内の写真



操作性・サービス体制で変化したこと
他メーカーからの入れ替えということで、使い慣れた装置と大きく操作方法が変わってしまう点を心配しておりましたが、操作ディスプレイやキーボードのレイアウト、ガントリにXtream Tablet(タブレット)があることで視覚的に操作ができる構成となっており、心配は杞憂に終わりました。
また、患者登録からゼロ位置設定までの流れがシンプルで、タブレットから患者選択、プロトコル選択、撮影範囲の決定をするだけで素早く検査を開始できるようになりました。


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検査中は、パラメータが一画面で表示されており、表示されているタブの切り替えをする必要が無いので以前より操作性が向上したと思います。
装置導入後のトレーニングに関しても、5件程度説明を受けながら撮影をすると一人でも特に迷う事なく検査を行えるようになり、他メーカーからの入れ替えでもハードルは高くないという印象です。
導入後には、モニターのアイコン表示など新規ユーザーに対して難しさを感じさせないような工夫がなされていると思いました。


サポート体制についても、タブレットを利用したメンテナンスサービスであるORiGENを導入しているのでリモートでの操作方法の説明やトラブル時の対応を依頼できることも入れ替え前と変わった点です。
タブレット端末によりLINEでの修理依頼が可能で、写真や動画を添付することができ、口頭では説明が難しい異常音の不具合を伝えられることも利点であると思います。


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ワークフローの変化
ポジショニングにおいては、天井に設置された3D DLカメラが体型を捉え基準点の決定及び被写体厚の中心点をアイソセンターに自動で合わせてくれるため、カメラを活用することにより以前は撮影者毎にばらつきのあったポジショニングが一定となりました。現状ではマスクや服装で認識されないといったエラーは発生しておりませんので3D DLカメラの精度は良好であると思います。

また、搭載されているX線管球は回転速度0.5秒/1回転と高速化したことによりスキャン時間が大幅に短縮され、短い息止め時間で撮影が可能となり、患者の負担軽減を考慮した検査が行えております。リコンスピードにおいては最⼤50画像/秒の再構成時間ということもあり、検査が集中してしまっている時間帯でも速やかに次の検査を開始できるようになりました。さらに便利な点として、ブレスナビ機能があることで検査時の患者息⽌めタイミングをグラフィックおよびカウントダウン表⽰にて患者本人に知らせることができ、耳の不自由な患者の息止め指示に有効です。
導入してワークフローが変わった点として、オートポジショニングで寝台を移動している時間を患者への検査時の注意事項の説明や、造影剤のセッティングに費やすことができるため効率的になりました。ポジショニング完了して操作室に移動したらスキャンボタンが点灯しているので撮影開始までの時間が速くなりました。以前はポジショニング後に検査開始をクリックして、その後にスキャンボタンを押す必要があり、必要な動作自体が減ったと実感しています。


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オートポジショニング


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AI技術による最適なポジショニング



Revolution Maxima Select導入による検査のメリット
管球容量7.0MHUと⼤容量の管球により⾼速撮影が可能となり、管球のクーリングによる検査遅延もなくなったため検査が集中した場合でも効率的に検査を⾏うことができるようになりました。さらに、1.531のハイピッチでの高速撮影が可能となり、呼吸が困難な場合や体動がある場合でもモーションアーチファクトが低減されており、撮影時間短縮は患者にとってもメリットであると思います。
また、ASiR-Vによる画像再構成は再構成時間が⼤幅に短縮され、画像ノイズの低減、低信号状態でのストリークアーチファクトの低減、低コントラスト検出能の向上により細い構造の描出能が維持され良好な画像を提供できるようになりました。さらにSmart MARという機能が搭載されているので、人工股関節インプラントの入った患者でも金属アーチファクトを低減できて医師よりも画像が分かりやすくなったとの評価を得ています。
3Dの画像処理に関して、以前使用していた装置では末梢⾎管の描出能の問題や⾻除去作業が煩雑で画像の処理に時間を割いておりました。Revolution Maxima Selectはコンソール上にスタンドアローン型と同性能のワークステーション機能が搭載されているため、Segmentationツールを使⽤し任意のVR上のオブジェクトを維持・削除や末梢⾎管の抽出が可能となり、より⾼精度の3D画像を簡便に作成できるようになりました。腹腔鏡下手術の術前シュミレーションを目的として3D画像を作成しておりますが、IMAなどの細かい分岐も描出しやすくなりスタンドアローン型のワークステーションが無くても、問題なく運用できております。


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オンコンソールの3D再構成機能



診療科からのコメント
Revolution Maxima Selectを導入後、下記のような医師からのフィードバックを得ています。
・0.625mmスライスと1024マトリクスサイズでリコンすると、血管の描出や腹腔内脂肪織濃度評価、リンパ節描出の繊細さが向上した。
・金属アーチファクトが軽減されるようになったので、股関節にインプラントがあっても骨盤腔内臓器が見れるようになった。



まとめ
以上が、当院において他メーカーのCT装置からRevolution Maxima Selectを導⼊して感じたインターフェイス・操作系のインプレッションです。選定においては画像品質向上はもちろんのこと検査時間の短縮による患者への負担軽減も重要視すべきポイントであると思います。その結果、今回他メーカーからの入れ替えとなり導入前はいくつか懸念がありましたが、ユーザーフレンドリーなインターフェイスですので問題なく運用しております。
今後もRevolution Maxima Selectの性能を⽣かして診断の⼀助となるように検査を⾏っていきたいと考えております。