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Revolution Apex Elite

JB10596JA

※お客様のご使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

製造販売:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
販売名 マルチスライスCTスキャナ Revolution 医療機器認証番号: 226ACBZX00011000
販売名 AWサーバー 医療機器認証番号: 22200BZX00295000
販売名 アドバンテージワークステーション 医療機器認証番号: 20600BZY00483000

Revolution Apex導入による検査数・治療数の変化
ー 循環器・心臓血管外科領域 ー

社会医療法人 近森会 近森病院
診療放射線技師 西森 美千代 様



病院紹介
近森病院は高知市の高知駅から徒歩で5分圏内にあり、
病床数485床(2023年4月1日現在)一般病床:429床 精神科:60床 本館地下1階地上13階建(ヘリポートあり)救急センターでは救急医療に特化した付加機能の審査を受け、高知県で最初の認定施設となった。
『チーム医療』体制を充実させ外来・病棟ともに医師、看護師をはじめとした各職種がそれぞれの専門性を活かし密に協力しあって治療を進めており、その中でもハートセンターでは循環器内科、心臓血管外科、麻酔科、透析科など各科がその垣根を越えて治療を実施している。


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図1)近森病院外観



当院のCT検査
当院では外来センターでDiscovery 750HD、本院でRevolution EVO、VCT VISIONの計3台で運用していたが、2023年4月にDiscovery 750HDに代りRevolution Apexが導入された。
当院ではRevolution Apexの導入前ではCT検査に携わる放射線技師全員(当時27名)が3台でのCT撮影に対応できる体制であったが、CT導入後では検査件数の増加はもちろん、高度な内容の検査依頼も予想され、経験年数の少ない放射線技師の負担軽減も考えRevolution Apex担当チーム(9名)を結成した。 9名でRevolution Apexでの検査を担当することでCT操作の習得度も高くなり、迅速な検査実施が可能となった。CT操作、画像解析業務を1日2名体制とし各診療科医師からの難しい要望にも対応でき、CT導入前に想定していた事に対応できるようになった。


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図2)Revolution Apex担当技師



心電図同期撮影での画像解析運用変更
CT導入後、冠動脈CTをはじめ心電図同期検査数増加(冠動脈CTは、CT更新前が455件に対し1.6倍の734件と(図4))となり読影医師と放射線技師の負担も当然のことながら増加となった。依頼科医師と画像解析について話し合いを実施し冠動脈解析チャートを更新した。図3の内容で運用する事で画像解析する放射線技師の負担軽減となったが、ガイドライン変更に伴いCTファーストへの運用変更となった事で循環器内科医師からは更なる予約枠増加を望まれている。


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図3)当院における冠動脈解析チャート



心電図同期撮影増加による治療数への影響
CT更新後では、冠動脈CT検査数の増加だけではなくAblation,LAAでのCT撮影も大きく増加した(図4)。TAVI術前CTに関しては64列CTでの冠動脈CT時に使用していた造影剤量のまま冠動脈CT+アクセスルートCTAの撮影が可能となったため1年間で150件の術前検査実施となっている。
心電図同期関連のCT検査増加により、カテーテル治療などの件数増加が予想されたが、PCIの件数は変わらずAblation,TAVIは増加となった(図5)。CAGにおいてはCT更新前が1025件に対しCT更新後は890件と10%程度の減少となっているが、CT更新に伴う冠動脈CTの画質向上、CTファーストでの運用変更により、入院が必要になるCAG検査は減少し患者負担低減へ繋がったのではと考える。



冠動脈心拍数の管理
CT更新当初に心拍数をコントロールなし(βブロッカーなし)で検査をするのはどうかということで冠動脈3枝(LAD,LCX,RCA)に対し心拍数での視覚的評価を心拍毎に行った(図6)。SSF2.0を使用していることもありHR70bpm以上の患者においても冠動脈3枝のモーションアーチファクトによる読影不能なケースは認めなかったが、当院では側枝の情報も高品質なものを求めており、読影医と話し合いを実施した。その結果、CT装置の性能が向上した現在も以前と同様HR60bpm以下での撮影を目標設定にし、可能な限り解析しやすい画像、読影しやすい画像提供出来るよう運用している。
しかしながら、HRコントロールを行っていてもHR70bpm以上の患者は一定数存在する。SSF2.0によるモーションアーチファクト軽減により読影困難なケースは無く、その場合でも安定した画像提出が可能となっている。


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図4)外来CT検査数


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図5)血管治療検査数



撮影後の心位相検索
64列での心電図同期Helical撮影時の冠動脈解析心位相探しは、0~95%を5%間隔で画像再構成し冠動脈が静止している心位相を特定していた。そこから更に1%間隔で再構成し解析に最適な心位相を探していた為、以前は心位相探しの所要時間は早くても30分以上を要していた。この作業はCT本体で行うため、他検査時には実施出来ず患者出し入れのわずかな時間を使って心位相探しの再構成を実施していた。CT更新後は自動心位相検索機能であるSmart Phaseを使用し、検査後CT担当者が患者を寝台から降ろしている間にSmart Phase+SSF2.0を実施しておけば15分弱程度で解析に最適な画像がGEヘルスケア社のワークステーションであるAWにリストアップされている。 Smart Phase+SSF2.0により業務効率は向上し、冠動脈CT検査数増加を可能とした要因の一つとなった。また画像解析担当者においても画像の出来上がりを待つというストレスの低減にも大きく貢献している。


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図6)冠動脈3枝の視覚評価



結語
CT導入前は装置スペックが大きく向上する事で、装置を活かす事や検査数の大きな増加に対する不安を感じていた。日々検査を実施する中で装置性能を理解し、医師が求める検査に対し実現可能かなど整理することが出来、可能な限り医師の要望に応えている。
Revolution Apexは循環器領域に強い装置であるがGSI撮影も可能であるため、今後は心電図同期撮影を進歩させGSI撮影頻度も増加させるなど、画像診断のし易い画像提供出来る様にと考えている。
心電図同期撮影領域においては、冠動脈パスを更新しHR60bpm以下を目標とした上で患者負担、看護師負担の軽減に向けて問い組んでいきたい。冠動脈パスが改善されることで、循環器医師から希望されている冠動脈予約枠増加について読影医との相談も可能になるかと考える。
検査数増加が加速すると、当然ながら画像解析件数も増加する。画像解析メンバーを増員し放射線技師1人1人の業務負担軽減も進めていきたい。