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Revolution Apex Elite

JB09181JA

※お客様のご使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

製造販売:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
販売名 マルチスライスCTスキャナ Revolution 医療機器認証番号:226ACBZX00011000
販売名 AWサーバー 医療機器認証番号: 22200BZX00295000
販売名 アドバンテージワークステーション 医療機器認証番号: 20600BZY00483000

Revolution Apex Eliteが
臨床に与えるシナジー効果

国立大学法人東海国立大学機構
岐阜大学医学部附属病院 放射線部 三好 利治 様



病院紹介
当院は, 岐阜県岐阜市北部に位置する岐阜大学敷地に隣接して建設された特定機能病院である。岐阜県にはがんセンターがないため, 当院が岐阜県のがん拠点病院を担うとともに, 岐阜県唯一の高度救命救急センターも併設しドクターヘリの基地病院として医療圏の広い岐阜県下の救急医療にも貢献している。このような地域条件であるため, 幅広い診療内容に対する放射線診療の要望に対応する必要があり, 各モダリティに対し特色のある専門的な技術を有した運用能力が必要とされている。
当院放射線部は10部門に分類され, それぞれの部門に担当の放射線科医師および主任診療放射線技師が専任し, 機器の特色を生かした精度の高い医療を提供している。CT検査部門は, 放射線科医師の指導の下, 画像情報管理部門及び被ばく線量管理部門と連携を図り, 運用効率の最適化や, 被ばく線量の管理を高いレベルで行い, 患者さんに優しい診療の提供を行っている。


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病院外観


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放射線部 各部門



CT装置
CT検査部門では検査効率向上を図るため, 2023年7月に本邦初号機となるRevolution Apex Eliteを導入した。当院では, このRevolution Apex Elite (256列) にDiscovery CT750HD CT(64列)とRevolution CT Apex Edition(256列)を加えた3台体制で救急検査から腫瘍系の精密検査まで幅広い分野に対するCT検査を年間30000件以上行っている。
それに加えて放射線治療計画専用のCT装置もRevolution CT (256列) を採用しており, 当院のCT装置はすべてGSI(Dual Energy )撮像対応の装置が採用されている。GSI撮像は臨床上有用性の高い技術であると多くの論文などで報告がされており, 当院においてもこれらの技術を診断および治療に活用しつつ, 新しい知見を模索するための臨床研究を行うなどしてGSI撮像がより多くの施設で簡便に活用されるよう日々邁進している。
今回導入された最新機種であるRevolution Apex Eliteは, 搭載された多くの最新技術の恩恵を受け, 稼働開始当初から臨床活用へのシナジー効果が得られている。


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Revolution Apex Elite


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Revolution CT Apex Edition


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Discovery 750HD


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Revolution CT
放射線治療計画専用



Revolution Apex Elite
Revolution Apex Elite は従来のRevolution Apex に多くの新機能が追加されたCT装置で, 当院で特にシナジー効果が得られている部分としては「 Effortless Workflow 」と「 回転速度 0.23sec/rot 」である。
これらの項目に対して当院での運用面も含めて紹介させていただく。



Effortless Workflow
深層学習を用いた人工知能(Deep Learning : DL)による自動最適化を活用したEffortless Workflowは, 天井に設置されたDLカメラと, ガントリーに設置されたタッチパネルで検査一連の流れを最適化する仕組みで, 運用効率を高めるだけでなくOperatorの作業負担軽減にも大きく寄与している。
天井に設置されたDLカメラは3次元光学系および赤外線を利用しており, リアルタイムの動画で患者さんを表示しながら撮像Protocolで設定された基準点を把握し, 患者さんの体格に合わせて高さ調整をしながら, 検査開始位置までベットを自動で移動させることで, 無駄な動きが少ないワークフローでの運用を可能としている。この仕組みは体幹部だけでなく, 四肢などのセッティングの際にも, カメラに映る患者さんの動画から直感的に撮像範囲が決定でき, この制御系を最大限に生かせば検査運用に対する作業負担も軽減される。熟練の技術が反映されていたポジショニングも, Effortless Workflowを用いれば, 若い世代にはスマートフォン感覚で正確なポジショニングが可能となっており, 当院の場合, この運用により体幹部単純CT検査で約40秒ほどの時間短縮が可能である。当院の体幹部単純CT検査の平均在室時間が4分ほどであるため, 単純計算ではあるが6件 Revolution Apex Elite で検査を行うと, 1件分の検査時間を確保できる事となる。
また, 時間の短縮だけでなくポジショニング精度も高いことも確認できている。当院の被ばく線量管理部門に導入されているGE HealthCare社製線量管理システム「DOSE Watch」を利用して, 連続100例の「胸部+腹部+骨盤部 単純CT検査」時の患者センターとガントリーセンターの誤差をRevolution Apexの手動とRevolution Apex EliteのDLカメラで比較したところ,ばらつきが大幅に軽減していた。このように, 多方面から検証してもEffortless Workflowは一度使い始めてその運用を覚えると, 手放せない機能の一つと言える。


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Effortless Workflow


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連続100例によるポジショニング時の
患者とガントリーセンターの誤差



世界最高速 0.23sec/rot
従来の0.28秒から0.05秒短縮されただけと思える0.23秒/rotだが, その効果は絶大で, 運用開始から5か月が経過したが, SSF2と組み合わせることで心臓CT検査の評価不能症例を経験したことがない。動態ファントムの実験においても, 動いている櫛形ファントムを0.23秒/rotはアーチファクトの少ない正確な画像として表示可能なことが証明されている。実臨床においても, Revolution Apex Eliteのサポート機能 を用いれば1年目の技師が正確かつ負担なく心臓CT検査が施行可能となっている。


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1mm間隔の櫛形のファントムを、ガントリー内で回転させながら撮像



総括
多くの機能がグレードアップされたRevolution Apex Elite は検査の質や効率を大きく向上させ, 当院では大きなシナジー効果が得られている。過去のRevolution CT導入時にも, Operator ConsoleのSoftwareデザインの変更や画像再構成速度の向上により, 検査のスループットが向上したことを実感したが, 今回のRevolution Apex Elite はそれを上回る形で検査のスループットが向上している。DLをポジショニング部分に用いたことで, Operatorの負担が大幅に軽減しており, それに加えて画像再構成速度が上がっていることを鑑みても, 非常に有能なCT装置と言える。導入した際に運用面までしっかりと検討すれば, スタッフの負担を軽減しつつ, 検査効率が向上するのがRevolution Apex Eliteを用いた検査運用の最大の強みであると言える。