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Revolution CT

※本カスタマーボイスはお客様の使用経験に基づく記載です。
製品の仕様値として保証するものではありません。


製造販売:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
販売名 マルチスライスCTスキャナ Revolution 医療機器認証番号:226ACBZX00011000
販売名 アドバンテージワークステーション 医療機器認証番号: 20600BZY00483000

慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)における
Revolution CTを用いたヨードマップの有用性

慶應義塾大学病院 放射線診断科
横山 陽一 様 山田 祥岳 様 陣崎 雅弘 様



慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH:chronic thromboembolic pulmonary hypertension)は
器質化血栓による肺動脈閉塞、これに起因する肺循環動態の異常が本態である。

CTEPHの画像診断にはDynamic CTおよび肺換気血流シンチグラフィが代表的である。
Dynamic CTにおいては、

1.mural defects
2.webs and bands(血栓の器質化に伴い肺動脈再疎通を示す帯状狭窄)
3.intimal irregularities(血管壁の不整)
4.abrupt narrowing(急激な先細り)
5.complete obstruction(完全閉塞)

といった所見が見られ、少なくとも1つが証明されれば診断根拠の一つとなる。肺換気血流シンチグラフィにおいては、換気シンチにて異常を認めず、血流シンチにて区域性の血流欠損が見られることが特徴である。

Revolution CTはfast kV switching方式のDual energy CTが可能であり、肺野内の造影剤分布、すなわちヨードマップを可視化することが可能である。

また、Dynamic CTとヨードマップをfusionすることで肺動脈内の血栓のサイズや分布、肺動脈の形態といった解剖学的情報と肺血流情報を同時に評価できる。また、肺血流シンチグラフィに比して高い空間分解能、横隔膜のアーチファクトがない点でも優れ、重症度評価および治療効果判定にも有用であると考えられる。

ただし、ヨードマップにおいては、上大静脈、腕頭静脈、鎖骨下静脈に停滞するヨード造影剤によるアーチファクトに留意する必要がある。

この問題を解決するために撮影時の造影剤注入時間の短縮、生理食塩水による後押し、撮影方向を足→頭方向とするなどの工夫を行っている。(表1, 2)


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表1 撮影条件


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表2 注入条件



■40歳代男性
呼吸困難を主訴に前医を受診、CTEPHが疑われ精査目的に当院へ転院となった。
現状評価目的に施行された肺血流シンチとdynamic CTを提示する。
肺血流シンチグラフィにて右肺野全域および左肺舌区、下葉S8領域などに血流低下を認めた。(画像1,2)
ヨードマップ上も同様の所見を認めた。(画像3,4)CTEPHとして矛盾しない所見であった。


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CTEPHの診断において従来は造影CTおよび肺換気血流シンチグラフィの計2回検査を行う必要があったものが、Dual energy CTは、では1回の撮影で、形態評価と機能評価が同時に行える点は臨床上非常に有用であると言える。