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Revolution CT

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循環器科ソリューション

JB13594JA

※お客様のご使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

製造販売:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
マルチスライスCTスキャナ Revolution 認証番号:226ACBZX00011000
アドバンテージワークステーション 認証:20600BZY00483000

神戸大学医学部附属病院における
僧帽弁閉鎖不全症術前CTプロトコル

神戸大学医学部附属病院
医療技術部 放射線部門
石川 和希 様

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はじめに
構造的心疾患に対する根治治療は,胸骨正中切開による外科手術が中心であったが,近年, Minimally Invasive Cardiac Surgeryや経カテーテル治療が積極的に行われている.いずれの治療法においても,術前の評価は必須でありCT検査の果たす役割は大きい.神戸大学医学部附属病院では僧帽弁閉鎖不全症の外科手術前診断としてCTによる評価を行っている.本稿では当院で行っている僧帽弁閉鎖不全症術前CTプロトコルについて紹介する.



僧帽弁閉鎖不全症術前CT検査プロトコル
当院における僧帽弁閉鎖不全症の外科手術前診断としてのCT検査では,僧帽弁複合体の評価だけでなく,術前の全身評価も目的としており,冠動脈や大動脈も同時に撮影している.一連の撮影プロトコルをFig.1に示す.


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Fig.1 僧帽弁閉鎖不全症術前CT検査プロトコル



造影剤注入条件
造影プロトコルはPrimary bolus としてFractional Dose 28 mgI/kg/secで12 秒間注入し,続いて Secondary Mixed Bolus として造影剤と生理食塩水を 4:6 の割合で混合した希釈造影剤を 15 秒間注入する.その後,残った生理食塩水によるフラッシュを行っている.
Primary bolus については,弁不全によるボーラス効果の低下や,心房細動合併例における心拍出量低下を考慮し,当院における冠動脈 CTの Fractional Doseである22 mgI/kg/secよりも高めの設定としている.Secondary Mixed Bolus を追加することで,冠動脈評価で問題となる右心系アーチファクトを軽減しつつも,右心系に十分な造影効果を維持できるため,心臓全体の構造も評価することが可能となる.また,心臓撮影後に連続して大動脈動脈相の撮影を行うことができる.


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Fig.2 Injector Settings



Smart Prep
Smart Prepは当院での冠動脈CTと同様に,造影剤注入開始10秒後から上行大動脈をモニタリングし,CT値上昇が200HUに達した時点で息止めのアナウンスを行い,2秒後に撮影を開始する設定としている.しかし,僧帽弁閉鎖不全症に伴って左房拡大を生じている場合には,上大静脈からのアーチファクトが生じやすくなる.このアーチファクトにより上行大動脈のCT 値が一過性に上昇し,造影剤が到達していないにもかかわらず撮影を開始してしまう可能性があり,実際のモニタリング画像を確認しながらマニュアルで撮影を開始することもある.
実際にマニュアルスタートを行った症例を紹介する.右のモニタリング画像(上段)では上大静脈からのアーチファクトにより上行大動脈のCT値上昇が200HUを超えていたが,下行大動脈の造影効果を認めずアーチファクトと判断しモニタリングを継続した.その後,Time Density Curveにおいて上行大動脈のCT値上昇が明確に200HUを超え,同時にモニタリング画像(下段)にて下行大動脈の造影効果も認めたことから,至適タイミングが到達したと判断し,Smart Prepを終了し,心臓の撮影に移行した.


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Fig.3 マニュアルスタートを行った症例



Smart mAとAuto Prescription
当院の冠動脈CTAにおけるSmart mA 設定は0.625mm Noise Index 28(Pre ASiR-V 70%)としている.一方,僧帽弁閉鎖不全症術前CTでは僧帽弁複合体も含めて評価を行うため,Noise Indexを24 (Pre ASiR-V 70%) としている.完全な1心周期の画像にて診断を行うためRetrospective gatingにてECG Dose Modulationを使用せず撮影を行う.そのため被ばく線量が多くなることからAuto Prescription(基準管電圧:80kV,Clinical Task:Soft Tissue + C High Contrast)を使用して体格に応じた最適な低管電圧での撮影を行っている.


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Fig.4 冠動脈CT画像と僧帽弁閉鎖不全術前CT画像


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Fig.5 僧帽弁閉鎖不全術前CT撮影に使用した管電圧の割合



当院の冠動脈CTにおけるCTDIvol の中央値は11.3 mGy(IQR:6.5 – 15.4 mGy),DLPの中央値は 174.8 mGy・cm (IQR:100.4 – 239.1 mGy・cm)であり,僧帽弁CTにおけるCTDIvol の中央値は21.7 mGy(IQR:15.7 – 32.1 mGy),DLPの中央値は 347.9 mGy・cm (IQR:250.4 – 513.1 mGy・cm)であり,僧帽弁CTは冠動脈CTと比較すると線量が多くなっている.しかし日本の診断参考レベル(DRLs2025)であるCTDIvol 57 mGy,DLP 940 mGy・cmを超過することなく撮影が可能である.



Acquisition Window設定
Acquisition Window設定はFig.6のようにしている.この設定は撮影ターゲットの心拍の前後で十分にデータを収集しSnapShot Freeze2.0を使用した状態で完全な1心周期の再構成を可能とするためのものである.通常であればAcquisition Window設定を1beatとすることで1心周期の再構成が可能なデータが収集される.しかし,撮影時の心拍変動により1心周期の一部にデータ欠損を生じた症例を数例ほど経験したためAcquisition Window設定をFig.6のように設定し1beat + α の範囲のデータ収集を行い確実に1心周期の再構成を可能なように撮影を行なっている.


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Fig.6 僧帽弁閉鎖不全術前CT撮影のAcquisition Window設定画面



実際に撮影時の心拍変動により1心周期の一部にデータ欠損を生じた例を示す.通常の心拍であれば,Acquisition Window設定を1beatとすることで,Fig7-1のように1心周期の分のデータが収集できる.しかし,Fig7-2の症例では,心拍数80 bpm前後で推移していたが,PVCが生じたのち心拍数が低下し僧帽弁閉鎖不全症の診断に最も重要な収縮期を含む1心拍分のデータが収集されなかった.そのため,当該症例を経験した以降はAcquisition Window設定をFig.6 のように設定し,Fig7-3のようなデータ収集となるようにしている.


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Fig,7-1 Acquisition Window設定 1beat


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Fig7-2. Acquisition Window 1beat設定にて,データ収集が不足した例


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Fig7-3. Acquisition Window設定 Fig.6でのデータ収集



βブロッカーによる心拍コントロールについて
当院では,僧帽弁複合体の描出を改善する目的でのベータ遮断薬による心拍コントロールは行なっていない.同時に撮影している冠動脈の評価において必要と判断した場合(心拍数85〜90以上を目安)に短時間作用型のベータ遮断薬を静脈注射にて投与している.



再構成について
僧帽弁評価のため,R–R間隔を5%刻みとした20 phaseのTemporal画像を再構成し, SnapShot Freeze 2.0 による Motion Correction を適用している.再構成には TrueFidelity DL – High を使用している.



症例紹介
70代 男性 体動時の息切れ,動悸の増強を主訴として近医を受診し心エコーにてSevere MRを指摘され加療目的で当院に紹介.僧帽弁閉鎖不全症の術前精査を目的に造影CTが依頼された.エコーおよびCT画像にて僧帽弁のA3-PCの逸脱を認めた.


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Fig.8 僧帽弁閉鎖不全症術前CT症例
撮影条件:70kV 655mA     CTDIvol:14.19mGy
DLP:227.07mGy・cm   Total Exam DLP:1247.36



総括
僧帽弁閉鎖不全症術前CTにおいて,Revolution CTは160 mmワイドカバレッジによる1 beat撮影により,バンディングアーチファクトが少なく,さらにQuantix 160 を用いた低管電圧撮影,TrueFidelity DL による被ばく低減,0.28 sec/rot の高速回転による高時間分解能,および SnapShot Freeze 2.0 によるモーションアーチファクト低減を組み合わせることで,高品質な画像を安定して取得することができると考える.これらの機能を最大限に活用することで,僧帽弁閉鎖不全症の術前評価において高い診断能を有するCT検査が可能であった.




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