藤田保健衛生大学病院放射線部 課長 井田 義宏 様 

井田 義宏 様
幸いにもAquilion ONEの開発に携わる好機に恵まれた私にとって、CT装置自体の発展・進化には特別な想いがあります。CT装置の一つのゴールはやはりワイドカバレッジ。特に循環器領域では高心拍、PVC、Af等の不整脈では圧倒的な優位性があると感じています。
今回そのワイドカバレッジCTであるRevolution CTのSmart Cardiacを一宮市立市民病院で見学してきました。まずAuto Gating(最適撮影条件選択機構)については、心拍数だけでなく、心拍変動量も考慮した設計になっており、通常見ることは無い撮影条件マトリックスも拝見しましたが、非常に細かく設定することができ、ほぼ全ての心拍状態に対応できるだろうという印象を持ちました。Smart Phase(最適心位相検索機構)は、撮影FOV全体のモーションマップではなく、冠動脈自体のモーションに特化したアルゴリズムとのことで、実際の見学時にも常用されており、操作者のスキルに依存する部分がまだ多い最適心位相検索において、操作者を選ばす、安定した最適心位相検索を実現するのに有効な手段だと感じました。
CTの性能と、病院の取り組みにより、夜間帯、救急でも心臓CT検査を行い、必要であれば即PCIも可能な体制を整えられており、地域住民に安心した医療を提供している点も印象的でした。
最後に日本の技術者がRevolution CTの開発に携わっていると伺いました。Revolution CTはまだ改良の余地があると思います。是非日本のCT検査を実際に見て、ユーザーの声聞き、技師、医師そして患者様、医療に貢献できるCTの開発を日本がリードしてくれることを期待しています。
高瀬クリニック放射線部 技師長 佐野 始也 様 
佐野 始也 様
我々の施設は年間700件のPCI、2500件の心臓CT検査を行う循環器科をメインとした病院ですが、今回見学した東京ハートセンターも我々の施設と同じ循環器に特化した病院で、イメージしやすい見学となりました。
連続4件の心臓検査を見学しましたが、第一印象はワークフローの良さです。平均的に検査15分、解析15分、それを順次入れ替えながら検査を進めているワークフローはとてもスムーズな印象を受けました。当院ではSnapShot Freeze(SSF) のようなモーション抑制アルゴリズムを実臨床 で使用しておりませんが、SSFは精度の高そうなアプリケーションに見受けられ、是非使用してみたいと思う技術でした。ステント症例も拝見しましたが、画像はGEらしいシャープな画像でした。今後更にノイズ低減が進むとより明瞭な画像となるでしょう。
また今後、不整脈時の新たな撮影制御技術が追加されると伺いました。不整脈と言っても様々な不整脈がありますが、出来るだけ余計なX線曝射させないで不整脈を撮影する事は、ハードルが高い技術だと考えています。稼働が開始したらまた見学したいと思います。
今回プロトコル設定から撮影、最適心位相検索までの自動化機構を見学しました。我々診療放射線技師は、自動化機能を活用するためにも臨床や装置の技術を良く理解する必要があります。そしてメーカーには経験の浅いユーザーが安心して確実な検査が行える技術と共に、熟練者が技量 を発揮できるような機能まで、幅広い製品開発を続けてもらうことを今後も期待しています。