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Lunar iDXA

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PRODIGY Fuga

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整形外科向けソリューション

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メールマガジン「骨密の友」

JB13448JA

※お客様のご使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

販売名称 X線骨密度測定装置 Lunar iDXA 医療機器認証番号 21800BZX10007000号
X線骨密度測定装置PRODIGY  医療機器認証番号21500BZY00582000号
PRODIGY は、販売名称X線骨密度測定装置PRODIGYの類型「PRODIGY」のフルサイズテーブル
PRODIGY-Cは、販売名称X線骨密度測定装置PRODIGYの類型「PRODIGY」のコンパクトサイズテーブル
PRODIGY Fugaは、enCORESW V16.sp1以降のVersionを搭載する上記医療機器のニックネームです。
本装置は、クラスII医療機器、設置管理医療機器・特定保守管理医療機器に該当します。

DXA装置における測定精度(再現性)の重要性

長崎大学病院 医療技術部 放射線部門
山口 友貴 様

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はじめに
骨粗鬆症の診断および経過観察(モニタリング)において、骨密度の評価は非常に重要である。特にDual energy X-ray Absorptiometry(DXA)は、骨密度を正確に測定するための最も信頼性の高い方法とされている。骨粗鬆症治療は、わずか数%の骨密度増加を長い年数をかけて繰り返し評価するため、その評価機器であるDXAの測定精度(再現性)が不良であると、治療効果を正当に評価することができない。そのため骨密度測定に関する国際的な学会(International Society for Clinical Densitometry:ISCD)ではDXA装置は施設ごと、しかも測定部位ごとに測定精度を二乗平均平方根変動係数(Root Mean Square Coefficient of Variation:RMSCV)により検証し、その値から最小有意変化(Least Significant Change:LSC)を算出することが推奨されている。


ISCDが定める精度評価(要約)
DXA装置は、施設の精度誤差とLSCを算出する必要がある。 精度測定は、被検者15名を3回、または被検者30名を2回測定する。ただし連続撮影は行わない。測定部位は腰椎(L1-4)、大腿骨頸部、大腿骨全体とする(図1)。測定後、精度誤差とLSCを算出し、ISCDが定める許容最小精度内であるか検証する。
詳細は、International Society of Clinical Densitometry (ISCD)のOfficial Positionsを参考にしていただきたい。(Official Adult Positions – ISCD:https://iscd.org/official-positions-2023/)


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図1 測定部位


二乗平均平方根変動係数(RMSCV)と最小有意変化(LSC)
測定精度評価指標であるRMSCVと、LSCの算出方法を図2に示す。RMSCVは、各被検者の変動係数を二乗したものの和を、平均した値の平方根である。この値がISCDが定める測定精度の最小許容精度の評価対象となる。LSCは、RMSCVに統計学的信頼水準によって決まる定数で95%の信頼水準である1.96と√2を掛けて算出する。この値を上回る増加率があった場合のみ、被検者の骨密度は有意に増加したと言える。



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図2 二乗平均平方根変動係数(RMSCV)と最小有意変化(LSC)の算出式


ISCDが定める許容最小精度
ISCDが定める許容最小精度を表1に示す。RMSCVとLSCはExcelを用いると簡便に算出できる。その方法を後述する。


表1 ISCDが定める許容最小精度
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当院におけるRMSCVとLSCの測定方法
測定は15名の被検者に対し、腰椎と両大腿骨の骨密度を3回測定し、平均値・標準偏差・変動係数を求めた(図3)。測定は、1日にまとめて3回行うのではなく、3回とも別の日に測定した。腰椎は1椎体(L1/L2/L3/L4)、2椎体(L1-2/L2-3/L3-4)、3椎体(L1-3/L2-4)、4椎体(L1-4)を対象とした。このうちISCD精度検証対象は4椎体(L1-4)である。大腿骨は頚部と全体の左右片側と両側を対象とした。このうちISCD精度検証対象は頚部と全体の左右片側である。ISCD精度検証対象以外の部位の評価は、測定面積が測定精度に与える影響を調べるために測定した。


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図3  RMSCVとLSCの測定方法


当院におけるRMSCVとLSCの結果
腰椎のRMSCVの結果を図4に示す。腰椎(L1-4)の当院の結果は1.2%で、ISCDが定める許容最小精度1.9%の6割程度の値となり、測定精度が高いことが示された。また、椎体数がふえる、つまり測定面積が大きくなるほど、測定精度が高くなることがわかった。


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図4 当院におけるRMSCV(腰椎)の結果


次に、大腿骨のRMSCVの結果を図5に示す。大腿骨頸部では、片側は左右どちらも1.2%という結果で、ISCDが定める許容最小精度の2.5%と比較すると、5割程度の値となった。大腿骨全体では、片側は左右どちらも0.7%という結果で、ISCDが定める許容最小精度の1.8%と比較すると、4割程度の値となった。この結果より、大腿骨全ての部位で測定精度が高いことが示された。また、腰椎と同様に、測定面積が大きくなるほど(大腿骨頸部より大腿骨全体の方が、左右片側より両側の方が)、測定精度が高くなることがわかった。


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図5 当院におけるRMSCV(大腿骨)の結果


最後に、LSCの結果をRMSCVの結果と併せて表2に示す。腰椎(L1-4)では3.3%、大腿骨頸部の片側は左右どちらも3.3%、大腿骨全体の片側は左右どちらも2.0%という結果で、全ての部位でISCDが定める許容最小精度の値より低い値となった。
以上より、当院の骨密度測定精度は腰椎(L1-4)、片側の大腿骨頸部、大腿骨全体、全ての部位においてISCDが定める許容最小精度と比較し高い結果となった。この結果より、当院の骨密度測定は微細な骨量変化が検出可能であり、治療効果を正確に評価できることが証明された。


表2 当院におけるRMSCV(%)とLSC(%)の値とISCDが定める最小許容精度
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装置固有のCV%と臨床上のCV%
表3は、Saarelainenら1)による腰椎アルミファントム使用時のGEヘルスケアDXA装置でのCV%を検討したものである。ファントム測定で得られるCV%は検者や被検者の要素が入らない装置固有の精度であるため、iDXAのCV%は0.13%と非常に小さい値となっている。一方、実際の臨床上のRMSCVは、当院のiDXAの検討では1.2%程度であり、大きく異なる。ファントム測定によるCV%は、装置のみの測定精度であり、それを施設の測定精度としないよう注意が必要である。実臨床のRMSCVとLSCは、それぞれの施設で前述した方法で算出して把握することが望ましい。


表3 腰椎アルミファントム(L2-4)の測定精度1)
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高い再現性実現のために
① 技師に関する要因
当院では測定精度を高めるため、ポジショニング時に次のようなポイントを意識して行っている。大腿骨測定時には固定具に足を内旋させて固定するが、足部や足関節だけが内旋しないよう膝関節を触って内旋させ、大腿骨全体が内旋していることを確認し固定を行っている。また、大腿骨骨幹部や腰椎がまっすぐになるようポジショニングを行っている。GEヘルスケア社製のLunar iDXAには前回画像表示機能があるため、前回と同様のポジショニングが行えているか確認しながら撮影が可能である。
解析は、前回と同様に骨部の輪郭を丁寧に描出し、ROIも同様に設定することで精度が高くなったと考えられる。
ただし、手動解析を行う際には操作者間で変動が起きないよう、解析手技に一貫性を持たせることが重要である。

② 測定部位の面積に関する要因
DXAの再現性は測定部位の面積に依存しており、面積が大きくなるほど計測値のばらつきが小さくなると考えられる。そのため、骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(以下、ガイドライン)で腰椎の測定はL1-4 またはL2-4どちらでもよいとされているが、L1-4で測定・解析するのが望ましいと考える。大腿骨の診断には、大腿骨全体と頚部の骨密度のうちYAMに対するパーセンテージが低値の方を用いる。モニタリングには、大腿骨全体が望ましいとガイドラインに示されおり、両側大腿骨を測定している施設では、両側平均骨密度を用いることも可能である。
腰椎または大腿骨の測定が、局所的な変化(硬化性変化や骨折など)やアーチファクトのため1椎体しか評価できない場合や、両股関節術後などの場合には、前腕骨が測定の対象となる。

③装置に関する要因
当院で使用しているDXA装置はGEヘルスケア社製のLunar iDXAである。図6に示すように、この装置の検出器はエリアディテクターを交互配置することにより、より高い分解能を実現する。また、高感度ディテクターを搭載しており、高画質なDXA画像を得ることができる。撮影方式はナローファンビームを採用しており幾何学的な拡大誤差を抑え、被写体の位置依存を抑制することができる。スキャン方式は、GEヘルスケア社独自のスマートスキャン方式とナローアングルファンビームを組み合わせたスマートファンビーム方式で、従来のペンシルビームの16スライス分を、一回の走査で計測し、しかもそれぞれをオーバーラップさせて、マルチに計測を行う。このようにして得られた複合画像をマルチビュー画像再構成することで、骨の位置がテーブル面からの距離にかかわらず正確な骨面積、骨塩量を計測できる。
加えて、この装置にはQA(Quality Assurance:品質保証)プログラムが搭載されている(図7)。このQAプログラムは、QC(Quality Control:品質管理)とは異なり、各箇所の機械的部分の動作確認を自動に行い、測定値の乖離の有無や変動が許容範囲内かを確認するだけでなく、その日の装置の状態や環境に合わせて校正値を自動補正する。QAプログラムを毎日、施行することにより、測定値の安定性が担保される。さらに、専用のQAブロックには、低骨密度レベルから高骨密度レベルまでの3種類のファントムと、低脂肪レベルから高脂肪レベルの3種類のファントムが挿入されており、これらのマルチポイントの基準物質で校正を行うため、様々な骨密度状態や体格においても測定値の直線性を保つことができ、正確な測定データが長期的に保証される。


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図6 Lunar iDXAの特徴


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図7 QAプログラムで使用する専用ファントム
骨密度と脂肪レベルについて、1点ではなく、マルチポイントの基準物質で校正を行うことにより、低値から高値までの測定値の直線性を保つ。
これにより様々な骨密度状態や体格においても測定値の直線性を保つことができ、正確な測定データが長期的に保証される。


最後に
腰椎・大腿骨DXAは、骨粗鬆症の確定診断、経過観察、および治療効果判定において、最も推奨されている評価方法である。診療放射線技師として私たちは、DXA装置の長期的な測定値の安定性を担保するため日々、QAを実施し、加えて自施設のRMSCVおよびLSCを把握する必要がある。また、骨密度測定時には、ポジショニングや解析のばらつきが小さくなるよう画像を比較確認しながら行う必要がある。これにより測定精度(再現性)の高い結果を医師に提供することが可能となり、日本国内に約1,590万人存在するとされる骨粗鬆症患者の診療支援に貢献できると考える。


謝辞
本執筆を進めるにあたり、研究の着想から執筆完成に至るまで懇切丁寧なご指導と温かいご助言を賜りました長崎大学病院 整形外科 講師 千葉恒先生に深く感謝申し上げます。
また、正確かつ詳細なデータ分析と精緻な資料作成に多大なるご尽力をいただきました長崎大学病院 診療放射線技師 相川勝彦様、丹念なデータ収集とデータ管理にお力添えを賜りました長崎大学病院 診療放射線技師 河野美香様にも心より感謝申し上げます。最後に、本執筆にご協力いただいたすべての方々に、心より御礼申し上げます。


Appendix
Excelを用いたDXA装置のRMSCVとLSCの算出方法
Excel関数を用いることで、DXA装置のRMSCVとLSCを簡便に算出することができる。表4に、被検者15名を3回ずつ測定した場合のRMSCVおよびLSCの算出用Excelシートを示す。
Excelファイルはダウンロード可能
URL:https://gehealthcare.showpad.com/share/ydqjKsK3obGAu1WBn3KYp

使用手順は、はじめに各被検者の3回分(被検者30名を2回測定する場合は、2回分)の骨密度の値を入力する。あらかじめ入力された数式より3回(被検者30名を2回測定する場合は、2回)の測定値の平均値(AVERAGE関数)、標準偏差(STDEV.S関数)、変動係数(%)(標準偏差÷平均値×100)が自動で計算される。求めた変動係数(%)より、RMSCVおよびLSCが自動計算される。RMSCVの算出にはSUMSQ関数(引数の2乗の和を返す関数)およびSQRT関数(数値の正の平方根を返す関数)を用いる。


表4 RMSCVおよびLSCの算出用Excelシート (15名を3回測定する場合)Clinical Tips_Reproducibility12.jpg





参考文献
1) J Saarelainen et al. Cross-Calibration of GE Healthcare Lunar Prodigy and iDXA Dual-Energy X-Ray Densitometers for Bone Mineral Measurements J Osteoporos. 2016:2016:1424582. doi: 10.1155/2016/1424582. Epub 2016 Apr 27.




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