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PRODIGY Fuga

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※お客様のご使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

販売名称 X線骨密度測定装置 Lunar iDXA 医療機器認証番号 21800BZX10007000号
X線骨密度測定装置PRODIGY  医療機器認証番号21500BZY00582000号
PRODIGY は、販売名称X線骨密度測定装置PRODIGYの類型「PRODIGY」のフルサイズテーブル
PRODIGY-Cは、販売名称X線骨密度測定装置PRODIGYの類型「PRODIGY」のコンパクトサイズテーブル
PRODIGY Fugaは、enCORESW V16.sp1以降のVersionを搭載する上記医療機器のニックネームです。
本装置は、クラスII医療機器、設置管理医療機器・特定保守管理医療機器に該当します。

生活習慣病と骨粗鬆症

医療法人社団 栄宏会小野病院
骨代謝疾患研究所 内分泌代謝内科
山内 美香 先生

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はじめに
生活習慣病と骨粗鬆症はいずれも加齢に伴い増加することから、併存する場合が多い。しかし、両者は単に併存するだけでなく、2型糖尿病(diabetes mellitus: DM)や慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)といった生活習慣病が骨代謝に大きな影響をおよぼし、骨粗鬆症をきたす。よって、生活習慣病患者では積極的な骨折予防対策が重要であると周知するために『生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド』が2011年に発刊された。その後も多くのエビデンスが集積され、2019年版として改訂された1)。『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版』においても前版と同様に、疾患に関連した続発性骨粗鬆症のひとつとして生活習慣病関連骨粗鬆症が取り上げられている2)。


生活習慣病関連骨粗鬆症をきたす疾患
1. 2型糖尿病
a. 2型糖尿病における骨折リスク
1型DMは骨折リスクが高く、続発性骨粗鬆症をきたす疾患として古くから知られていた。2型DMについても、大腿骨近位部骨折リスクが有意に高いことが2007年にメタ解析で示された3)。その後行われた、より大規模なコホート研究を含んだメタ解析でも同様の結果であり、2型DMにおける大腿骨近位部の骨折リスクは、非2型DM群に比べるとおよそ1.3倍とされる3, 4)。非椎体骨折リスクは約1.3倍4)、椎体骨折リスクは約1.4倍とされる5)。わが国のレセプトや特定健診情報に基づくNational database (NDB)を用いた検討において、大腿骨近位部骨折リスクが2型DM男性では1.7倍、女性では1.8倍、椎体骨折はいずれもおよそ男性1.3倍、女性1.3倍と、性別を問わず有意に高いことが報告されている(表1)6)。


表1 保険診療請求・特定健診のデータベースにおける2型糖尿病、
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、グルココルチコイド(GC)使用者の骨折率6)
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40歳以上の2DM患者(2DMの診断コードを有しDM治療薬投与例)およびGC使用者(経口GCを3ヶ月以上投与例)、
60歳以上のCOPD患者(COPDの診断コードを有しLAMA, LABAのいずれか投与例)における標準化罹患率(SIR)を算出。


2型DMによる骨折リスクは、血糖コントロールが不良であるほど高まり、HbA1c 7 %以上で急激に高くなる7)。また、2型DMの罹病期間が長いほど骨折リスクが高まることもエビデンスが集積しており、罹病期間が5年未満では上昇しないが、5年を超えると1.28倍と有意な上昇がみられる8)。高骨折リスク者を判別するツールであるFRAX®において、2型DMの骨折リスクは過小評価となることが知られているが、最近改訂された有料のFRAXplus®では「2型DMの罹病期間が5-10年」が危険因子に加えられている9)。『生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド2019年版』では、HbA1c 7.5%以上、罹病歴が10年以上、インスリンの使用、閉経後女性におけるチアゾリジンの使用、喫煙、重症低血糖が危惧される薬剤の使用、転倒リスクが高い、サルコペニアの場合に、特に骨折リスクが高いとされている(表2)1)。


表2 生活習慣病における骨折リスク上昇に関わる因子1)
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2型DM群では非2型DM群に比し骨密度が高いにも関わらず骨折リスクが高い10, 11)。つまり、同じ骨密度であれば、2型DM群の方が骨折リスクは高く、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の様に、骨密度で想定される以上の骨脆弱化が存在する。骨粗鬆症における骨強度の低下には、骨密度の低下と骨質の劣化が関わるが、2型DMによる骨強度の低下は骨質の劣化に起因する割合が高いといえる(図1)。ただし、2型DMにおいても骨密度の低下は骨折リスクの上昇につながる。非DM群に比し、2型DM群の方が骨密度の年間低下率が大きいとの報告があり12)、2型DMにおいても定期的な骨密度測定は有用である。


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図1 原発性骨粗鬆症および2型糖尿病に伴う骨粗鬆症の場合における骨強度の低下の概念図


b. 2型糖尿病における骨脆弱化
2型DMにおける骨脆弱化の機序として、2型DMでは高血糖や終末糖化産物(AGEs)、酸化ストレスの上昇による骨芽細胞分化の阻害や、スクレロスチンの増加などによるWntシグナルの阻害により骨形成が低下することが関与する。また、AGEsの骨コラーゲン架橋への蓄積が材質特性の劣化をきたす。2型DMは低骨代謝回転のため13)、材質特性の劣化や微小損傷の蓄積が、修復されにくいことも骨脆弱化につながる。
2型DMは構造特性にも影響をおよぼす。DXA法のデータから算出する海綿骨微細構造指標(trabecular bone score :TBS)は、骨密度とは独立した骨折リスク指標とされ、微細構造が劣化するとTBSは低値となる。2型DM群は対照群に比し骨密度は高いがTBSは有意に低く、骨密度はBMIやHbA1cと正相関するがTBSは負相関すると報告された。しかしながら、TBSは腹部の脂肪の影響を受けるため2型DM群では見かけ上低値となっていた可能性が指摘された。その後、最新のTBSのソフトウェアでは腹部の脂肪で補正したTBSが算出できるようになり、補正後のTBSでは、男性、女性とも2型DMでTBSが低値とはならないが、非DM群と同様にTBS低値は2型DMの有意な骨折リスク因子であることが報告された(図2)14)。TBSはDXA法による骨密度やFRAX®とは独立して、2型DMの骨折リスクを予見しうることから、2023年にWHO後援のもとESCEO (European Society for Clinical and Economic Aspects of Osteoporosis, Osteoarthritis and Musculoskeletal Diseases)とIOF (International Osteoporosis Foundation)から発表された骨粗鬆症の管理におけるTBSの臨床的活用についてのポジションペーパーにおいて、 TBSはBMDおよびFRAX®とは独立して、 2型DMの骨折リスクを予測する臨床上有用なツールとされている15)。腹部の脂肪で補正したTBSでのエビデンスの集積が待たれるが、TBSは臨床使用可能な2型DMの骨折リスク評価指標のひとつとして期待される。


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図2 性別と糖尿病の有無別におけるTBSによる10年間の骨粗鬆症性骨折リスクの推定値14)
40歳以上を対象としたManitobaコホート研究。
年齢、BMI、骨折歴、親の大腿骨近位部骨折、喫煙、グルココルチコイドの使用、関節リウマチ、
続発性骨粗鬆症、アルコール使用、骨粗鬆症治療、DXAスキャナータイプで補正


2. 慢性腎臓病
a. 慢性腎臓病における骨折リスク
透析患者や末期腎不全で骨折リスクが高いことは古くから知られているが、中等度から軽度の腎障害でも大腿骨近位部骨折のリスクが有意に上昇する。メタ解析において、CKD G3a[推定糸球体濾過量; estimated glomerular filtration rate (eGFR) 30-59mL/min/1.73m2]では大腿骨近位部の相対リスク(RR)が1.66 (95%信頼区間、1.13-2.44)、CKD G4(eGFR 15-29)のRRは2.62(1.48-4.63)と、腎機能低下に伴い顕著にリスクが増大すること、CKD G3でも有意なリスクの上昇がみられることが報告されている16)。わが国におけるレセプトのデータベースを用いた検討(透析患者を含まない)において、eGFR≧60 mL/min/1.73 m2群に比し、CKD(eGFR<60)群では大腿骨近位部骨折リスクがおよそ1.4倍になり、40歳代以上における年齢別の検討では40歳代で骨折リスクが最も高く、若年層ほどCKDが大腿骨近位部骨折リスクに、より影響を及ぼすことが報告されている17)。

b. 慢性腎臓病における骨脆弱化
メタ解析でCKDにおいても低骨密度は有意な骨折リスクであることが示されており18)、骨密度測定はCKDにおいても有用な臨床指標である。しかしながらCKDにおける骨折リスクは骨密度で補正後も高いことから骨質劣化が存在し、骨密度から想定される以上の骨折リスクの増大が存在する(図1)。
軽度から中等度のCKDにおける骨脆弱性の機序の詳細は不明であるが、腎障害の早期からペントシジンや高感度CRP、ホモシステインが上昇し、AGEs架橋の上昇など骨質劣化に関与することが推定されている。
構造特性への影響については、高齢者を対象としたHR-pQCTでの検討においてCKDステージG2やG3レベルですでに海綿骨微細構造の劣化を認めるとの報告がある19)。また、メタ解析において、透析患者を除いたCKD(eGFR<60)群では非CKD群に比しTBSが低値であること、TBS低値が骨折リスクに関わることが報告されている20)。BMDを用いたFRAX®で調整した場合は有意ではなく傾向にとどまるが、より大規模な例数での検討結果が待たれる20)。ESCEOとIOFのTBSについてのポジションペーパーにおいて、TBSは骨密度とは独立してCKDの骨折リスクを予測するとして有用性が指摘されている15)。


3. 慢性閉塞性肺疾患
a. 慢性閉塞性肺疾患における骨折リスク
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)は、喫煙などの有害物質の長期間吸入曝露により生じる肺の炎症性疾患である。
COPDの椎体骨折有病率は24~63%と様々であり、年齢や性別、人種、COPDの重症度など検討された対象によって異なる可能性がある。COPDの日本人男性を対象とした横断検討において、X線検査で判定した椎体骨折有病率は79.4%と極めて高く、椎体骨折数と1秒率に有意な負相関を認めるとされる11)。わが国のNDBを用いた検討において、椎骨骨折リスクは男性で約1.6倍、女性で約1.7倍と有意に高いことが報告されている6)。一方、大腿骨近位部骨折については、一定の見解が得られていないが、同様のNDBによる検討では、男性で約1.4倍、女性で約1.7倍と有意に高いとされている 6)。また、メタ解析において、COPD患者に骨粗鬆症や椎体骨折が存在すると、呼吸機能が有意に低下し、死亡リスクが増加することが報告されており21)、病期を問わずCOPDでは骨粗鬆症評価を行うことが重要であると提案されている1)。

b. 慢性閉塞性肺疾患における骨脆弱化
COPDにおける骨粗鬆症には、喫煙や経口グルコルチコイドに加えて、低体重、サルコペニア、慢性炎症、低酸素血症、ビタミンD不足などがかかわるとされる。
骨密度の低下により診断された骨粗鬆症の有病率はCOPD患者の38 %で、非COPD群のおよそ2.8倍と有意に高いことがメタ解析において示されており、COPDでは骨密度が低下する22)。しかしながら、骨密度から想定される以上に骨折リスクが高まっていることも報告されており(図3)23)、COPDにおいても骨質の劣化が存在する。COPDにおいて、TBS低値が骨密度と独立して骨折リスクに関与するとの報告がある24)。


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図3 COPD群および非COPD群における骨密度と骨折リスクの関係23)


4. 生活習慣病関連骨粗鬆症の管理
生活習慣病関連骨粗鬆症は続発性骨粗鬆症であり、生活習慣病と骨粗鬆症は、酸化ストレス、AGEsなどその病因・病態に共通性を有するため、生活習慣病自体の是正による骨粗鬆症の改善効果が期待される。しかし、これのみで骨折リスクを早期に低減できるとは考えにくく、また、生活習慣病自体の著明な改善は困難な場合も多い。したがって骨粗鬆症に対する薬物治療が必要である。
 骨密度やFRAX®では2型DM、CKD、COPDにおける骨脆弱性は過小評価となることから、「生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド」では、薬物治療開始基準の試案が示されている1)。つまり、表1に該当する場合は、骨密度が骨粗鬆症域となる前[young adult mean(YAM)の80%未満]での薬物治療開始の判断材料とすることが提案されている(図4)2)。しかしながら、現時点では試案であり、原発性骨粗鬆症の薬物治療開始基準に準じる1, 2)。生活習慣病関連骨粗鬆症では原発性骨粗鬆症に準じた評価では骨折リスクを過小評価している可能性を念頭におき、少なくとも原発性骨粗鬆症薬物治療開始対象者には遅滞なく治療を開始するべきである。脆弱性骨折の存在は骨密度とは独立した骨折リスク因子であり、骨質も含めた骨強度の評価法といえる。生活習慣病を有する例ではことさら脆弱性骨折の有無の問診、胸椎・腰椎X線検査による椎体骨折の判定が必須である。


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図4 2型糖尿病の骨折リスクに対する薬物療法(薬物治療開始基準試案)
YAM:young adult mean、FRAX® : fracture risk assessment tool

*:骨密度がYAMの80%以上でも骨折危険因子の管理と骨粗鬆症予防の生活指導、定期検査が必要である。
**:75歳未満で適用
***:糖尿病では罹病歴10年以上、HbA1c 7.5%以上、インスリン使用、閉経後女性チアゾリジン使用、喫煙、重症低血糖が危惧される薬剤使用、転倒リスクが高い、CKDではeGFR 60mL/分/1.73m2未満、COPDでは病期を問わない。いずれの疾患もサルコペニアの合併がある場合は骨折リスクが高い。原発性骨粗鬆症の診断基準は満たさないので、保険診療においては留意する。


生活習慣病関連骨粗鬆症においても、骨密度の低下は有意な骨折リスク予測因子であり、骨密度測定の果たす役割は大きい。また、TBSの臨床的有用性が期待される。骨密度やTBS測定が可能な医療機関は限られるが、医療連携により広く測定が可能となることは、2型DM、CKD、COPD患者におけるADL、QOL改善に寄与すると考える。




おわりに
骨折を一度きたすとADLが損なわれ、その結果として生活習慣病の病態も悪化するという悪循環をまねく。よって、生活習慣病患者においては骨粗鬆症治療による骨折防止が特に重要である。2型DM、CKD、COPD患者においては、骨粗鬆症の積極的な評価と予防を含めた管理が必須である。




【引用文献】
1) 日本骨粗鬆症学会生活習慣病における骨折リスク評価委員会: 生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド2019年版, ライフサイエンス社,
2) 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会: 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版, 2025
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