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Lunar iDXA

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PRODIGY Fuga

※お客様のご使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

Lunar iDXA  販売名称:X線骨密度測定装置Lunar iDXA
医療機器認証番号:21800BZX10007000

PRODIGY Fuga  販売名称:X線骨密度測定装置 PRODIGY
医療機器認証番号:21500BZY00582000
PRODIGY FugaはenCORE SW V16.sp1以降のVersionを搭載する
上記医療機器のニックネームです

骨粗しょう症には全身用DXA装置による早期発見と早期治療が肝心

松本内科胃腸科医院
院長 松本 新一 先生



全身用DXA装置のユーザー様の多くは整形外科の先生ですが、
今回は福岡市西区姪浜駅南で「内科・胃腸器科医院」を開業されている院長 松本新一先生から、全身用DXA装置の導入のご経験をご紹介いただけました。



松本内科胃腸科について
当院は内科胃腸科として平成9年(1997年)9月から開業し、もうすぐ20年になります。患者様層は多岐様々ですが、主に急性期疾患・慢性期疾患の検査・治療を行っています。 特に慢性期疾患では、高血圧、糖尿病、脂質異常症の治療とともに、”がん”の早期発見にも注力しています。 上記慢性疾患の患者様を経過観察している間に骨粗しょう症、もしくはそれを起因として骨折されるケースも多く散見されます。 そこで、内科で骨折する前に早期発見して予防したい意図で2016年6月からDXA(Dual-energy X-ray Absorptiometry)、GE社製の全身骨密度測定装置(以降、全身用DXAと記載させていただきます)Prodigy Fugaを導入しました。

当院では全身用DXAによる骨密度測定は、腹部・頸動脈などのエコー検査、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査と並ぶ大事な検査として考えています。

当院は動脈硬化「予防」とがんの「早期発見」を2本柱として参りましたが、 骨粗しょう症についても「予防」と「早期発見」という2本柱が当てはまります。以前はMD法(Micro Densitometry法)で第2中手骨をアルミニウム板と同時にX線撮影して、そのX線画像の陰影濃度をアルミニウム階段の陰影濃度と比較して、骨密度を測定・診断していました。しかし、第2中手骨部分は皮質骨優位である事から、腰椎や大腿骨のように海綿骨の多い部分とは異なり、早期段階の骨密度減少を診断することは困難でした。更に、骨粗鬆症などで薬物療法を行ってもその治療効果を、判定することも困難でした。そこでMD法から「腰椎と大腿骨の骨密度を測定できる全身用DXA」に切替え、「早期発見」と「予防」を軸とした骨粗しょう症診療にも取り組むことにしました。


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GE全身用DXA装置、導入前と導入後で気付いたこと
今回、MD法測定・診断から全身用DXAに切替えて感じたことは、その骨密度値から導き出される診断結果の違いです。MD法で骨粗しょう症をPositiveにしろ、Negativeにしろ、診断を下していましたが、全身用DXAで測定/診断した所、同じ患者様に下される診断に違いが生じました。ガイドラインにも明記されていますが、今は「全身用DXAでないと骨粗しょう症の正確な診断はできない」というのが実感です。

全身用DXAで測定すると、ある程度の体重と体格をされている方でも骨粗しょう症の方が見受けられます。また、男性に散見されるケースとして、腰椎と大腿骨を測定している中で、腰椎が充分な骨密度を示しても、大腿骨が骨密度不足を示すことが多く見られます。これらの点からも全身用DXAを導入して良かったと感じています。骨粗鬆症の治療基準にFRAXを使用するケースがあります。その時、大腿骨頸部の骨密度値を挿入しなければならず(その方が正確)、そのためにも全身用DXAが必要と思われます。 導入してから未だ6か月ですが、今後、経過観察、治療方法が適正か否か等の新たな発見があるのではと期待している所です。

また、一般的に糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者に骨粗しょう症患者は多いとされておりますし、実際に当院でもそれが当てはまります。


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GE 全身用DXA装置の導入を決断したポイント
1つめは、やはり骨粗しょう症の早期発見と予防です。
これまで、私が慢性疾患で診ていた患者様の多くが、骨折をして整形外科に通われているのを見てきました。これはまさしく骨粗しょう症を早期発見し予防しないと、多くの方が骨折するという事実を実感したということです。

2つめは、全身用DXA装置の設置スペースです。
実は胃のX線透視を内視鏡検査に切替えたのでX線透視装置を撤去しました。そのお蔭で全身用DXA装置の十分なスペースができました。新規開業の方は最初から全身用DXA装置用にスペースを用意できるのではないでしょうか。

3つめは、患者様のQOL/ADLを保ちたい、という観点から動脈硬化とガンと同様、骨粗しょう症も早期発見すべきと考えています。これは寝たきりの原因でも、骨粗しょう症が起因とする骨折や変性関節症は、トップランクに位置されていることからも納得しています。

4つめは、全身用DXAで得られる骨密度値をエビデンスとして骨粗しょう症の診断を行いたいということです。
年齢や体格だけでは、骨粗しょう症か否か、当然、判りません。第2中手骨では診断は困難です。
更に腰椎だけでも骨粗しょう症を見逃します。腰椎と大腿骨を両方測定できることが早期発見・診断には適しています。

5つめは、処方した薬剤の効果測定もして、適正な治療を提供したいということです。
治療によってYAMの値が実際に増加していると、患者さんの励みにもなるようです。


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GE 全身用DXA装置を導入後の患者様への変化
患者様の骨粗しょう症への意識は高いことが確認できました。
長年当院に通われている患者様に全身用DXA検査をお勧めすると、80-90%ほどの皆さんにお受けいただけています。
更に新患も当院を訪れ、同様に検査をお受けいただいています。

骨粗しょう症の早期発見・予防のためには、50歳以上の女性、もしくは個人差を考慮すると、(例えば、低体重で体格が小さい方々であれば)患者様によっては45歳以上の女性に骨密度測定をお勧めしても良いと思っています。
それに対して男性では大腿骨の骨密度が低く出るケースを考えると、75歳以上で少なくとも一度は測定すると良いと思います。

今後は、薬剤の効果測定は今後見られるであろうと期待するとともに、それが治療を継続する上で患者様への励みにもなるであろうと期待しています。


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GE全身用DXA装置の操作や運用面について
大腿骨、腰椎を一つの体位で一度に測定できる機能(OneScan機能)を活用しています(図1を参照ください)。
操作もシンプルで測定もスムーズに行えています。
看護師さんが体位を取ってくれた以降、測定は一人の患者様につき、5分間位で完了しています。看護師さんも体位を取るのに慣れてきていますが、測定中でも位置決めの変更などの微調整が出来ますから、それも問題ありません。装置を使い始めた当初は、腰椎の硬化が進んだ患者様などへのROIの設定に少し手間取りましたが、それももうクリアしました。
総じて装置の操作については支障ありません。


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GE全身用DXA装置への切替えがご経営に与える影響など
導入前、導入後も、私は診療報酬を始めとする経営面に対する影響にはさほど興味がありません。しかし、保険点数(腰椎と大腿骨の骨密度を同一日に測定すると450点)を考慮すると、全身DXA導入費用の原価償却も現実的と感じます。骨粗しょう症診断には、そもそも骨密度測定だけではなく、血液検査など他の検査もあります。また全身用DXA導入よるプラスアルファな効果として新患発掘も期待できます。

最後に、当院で高血圧、糖尿病、脂質異常症を始めとする内科診療をさせていただいてきた患者様が多数骨折し、周囲の整形外科医の診療を受けるのを目の当たりにして、「骨折前の予防に手を打ちたい!」という気持ちが全身用DXA導入実現を推し進めました。そのような現実に直面されている内科の先生は沢山おられるのではないでしょうか?


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今後の御展望について
今後は、ビスホスホネート剤やデノスマブなどの薬剤効果を実感できるようになることを期待しています。
製薬会社の方々がそれぞれ薬剤効果のデータを示してはくれますが、それに加えて、当院で実際の患者様に薬剤を処方して、その効果測定を全身用DXAで確認して、実データを基にした実感を持ちながら、早期発見、予防、治療を更に進めて行きたいと思います。