のぞみ整形外科は2013年にそれまでの前腕骨DXA装置での診療を止め、GE社製腰椎・大腿骨用DXA装置PRODIGY-Cを導入されました。その目的、背景、使用してからの気付きなどについて院長・林 衛先生にお話を伺いました。
私の専門は関節かつスポーツドクターであり、骨粗しょう症の専門医ではない
もともとは天海先生という方が「天海整形外科」として開業していたのですが、2012年に私が引き継ぎました。2013年に現在の「のぞみ整形外科」へ名称も変更しました。地域の整形外科としても、自分は関節が専門で、またスポーツドクターでもあるのでスポーツ選手や近隣の学校の運動部員のケアも行っています。理学療法士も2名いるので運動療法にも力を入れています。
しかし高齢者の来院は多く、骨粗しょう症は取り組むべき疾患の一つだと考えている
骨粗しょう症への取り組みについてですが、高齢者の来院は多いですし、やはり取り組むべき疾患の一つだと考えています。私は骨粗鬆症の専門医ではありません。しかし特に最近は良い薬が多く出てきたので、以前と比較すると治療できる疾患になってきたと思います。
前腕DXAの測定結果では投与した薬の効果を患者さんに説明するのが困難だった
昔は前腕DXAで前腕骨の骨密度を測っていました。しかしビスフォスフォネートを投薬している患者さんの腕をいくら測っても骨密度の上昇は確認できないんですね。そうするとせっかく薬を飲んで頑張っていただいている患者さんに説明ができない。
腰椎と大腿骨の骨密度を測定できるDXA装置が必要となった
骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインでも腕の骨密度は推奨していないということで、やはり腰椎・大腿骨を測定するDXA装置が必要だと思いました。(図1)
図1 骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインでも
腕の骨密度は推奨していない。
腰椎・大腿骨の 骨密度を測定する装置が必要
であるとして導入した。
腰椎・大腿骨DXA装置への切換えは、設置スペースと検査効率がポイント
OneScan(時短測定機能)を有するGEのコンパクト DXA装置がぴったりだった
うちのクリニックに導入するにはいくつかの制約がありました。まずはスペース。一般撮影室に設置できなければならない(図2)。もう一つは検査効率です。一般撮影室に置くということはDXAを使用しているときにはレントゲンは撮れませんから、短時間でDXA測定ができなければならない。もう一つ言えば金額ですが(笑)、まあどこの装置でも良いというわけではありませんでした。
図2 全身DXA装置の導入の第一の制約は
スペースだった。 一般撮影室に設置できな
ければならなかった。
それでどの装置にするか検討を始めたのですが、私のところに来てくれた販売店の営業の方が「先生、GEのDXAにはOneScanという良い機能がありますよ」ということでPRODIGY-Cを勧めてくれた。すると比較的小さな装置で、短時間で測定できるという、 まさにうちにぴったりの装置だったんですね。もうこれしかないと思ったので、すぐに決めましたね。(図3)
図3 コンパクトで、短時間で測定できること
が 重要と選んだGE DXA装置PRODIGY-C
腰椎・大腿骨DXAを導入してみた所、投与していた薬の効果を患者さんに説明できました
そのお蔭で薬を継続する患者さんのモチベーションも上がった
GE腰椎・大腿骨DXA装置を使用されての感想は、まず、何と言っても薬の効果を患者さんに説明できるようになったことが一番です。
さらに、薬を飲むと骨密度が上昇するのが確認できるので、患者さんにとっても、継続するモチベーションになっています。
最近は患者さんから「腰椎と大腿骨の両方をDXAで測定してほしい」と希望されることもある
最近の患者さんはインターネットなどで勉強していますからね、患者さんから「腰椎と大腿骨の両方撮る方がより正確なんですよね」と言われることもあります。そんなに宣伝してはいないんですが、どこかで話を聞いてきて「DXAで撮ってほしい」という方もいますね。
OneScanができるGE DXA装置ならば、検査時間は1人5分程度。同室の一般撮影にも支障は無い
運用面で言うと、うちは技師さんが撮ってくれていますが、一人あたりの検査時間も5分くらいなので他の検査にも支障はありません。DXA測定は一日3人くらいでしょうか。でも、それで十分だと思いますよ。収益的にも問題ないですね。
「腕の骨が丈夫」だと分かっても大きな意味はないですよね
やはり骨折して日常生活動作に影響する腰椎と大腿骨が観察できるなど、
本当に知りたい部分の骨密度が分かるのがより重要
先ほども言いましたが、私は骨粗鬆症専門医ではないので、正直それほど積極的に骨粗しょう症を扱っているわけでありません。しかし地域の整形外科医として高齢の患者さんを受けているのですから、やはり正しい医療をしなければという意識はあります。
ガイドラインでも明確に「腰椎と大腿骨のDXA測定」を推奨していますし、実際に橈骨の骨密度は薬で変化することはほとんどないわけです。測定してみると分かりますが、一人の方の骨密度は腕、腰、脚で必ずしも相関があるわけではありません。言い方は悪いかもしれませんが、「腕の骨が丈夫」だと分かっても大きな意味はないですよね。やはり骨折してより日常生活動作に影響する腰椎と大腿骨が観察できるなど本当に知りたい部分の骨密度が分かるのがより重要だと思います。
GE DXA装置、迷っているなら買った方が良いと言えます
当院では、GEのPRODIGY-Cを安心して使用出来ています。患者さんにも喜ばれるし、収益面での不安もありません。
何よりもガイドラインに沿った正しい医療ができるということです。迷っているなら買った方が良いと言えますね。