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Omni Legend

JB09062JA

※お客様のご使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

【Omni Legend 32】
薬事認証番号:221ACBZX00029000
販売名称:X線CT組合せ型ポジトロンCT装置Optima PET/CT500, Discovery PET/CT600
類型:Omni Legend 32

1台で2台分の価値
Omni Legendで実現する新しいPET検査

医療法人財団 富山医療健康センター とやまPET画像診断センター
診療技術部 藤井 洋平 様


施設紹介

富山県富山市にある、とやまPET画像診断センターは2007年11月に富山県のがん診療体制の一環として、富山県、県内各市町村、地元企業の出資による共同利用型PETセンターとして設立されました。そのため、当センターでは富山県内の公的病院、がん診療拠点病院を始めとする様々な医療機関と連携して日々検査を行っております。


導入の経緯
2台体制で1日18件の検査を行っておりましたが、開設より使用していたDiscoveryST Elite16のサポート終了により、装置更新のタイミングを数年前より模索しておりました。更新の条件は、1台体制で現在と同程度の18件以上の検査数を行える装置を条件に選定を行いました。他社と比較を行った結果、Omni Legend32の特徴は以下だと考えています。(表1.)

  1. 高感度で投与量を減らしながら2台分のPET検査数をこなすことが可能であり、撮影はできないがDeep Learningを用いた画像処理Precision DLが使用できる。
  2. 1Bedの体軸方向視野が長く、全身(下肢)の撮影も連続撮影が可能。デバイスレス呼吸同期を搭載し、検査に対する患者様の負担が少ない。
  3. AIカメラを活用することでポジショニング時間の短縮が可能となり、検査効率の向上が期待できる。

主に上記3点がOmni Legend32導入の決め手となりました。


機種 DiscoveryST Elite16 Omni Legend32
BED数(全身撮影※) 8-9 4(7)
1Bedあたりの撮影時間【秒】 140~160 90
Bedオーバーラップ【%】 32 25
撮影時間【分】 18.5~24 6~9(呼吸同期込み)
再構成法 Vue Point Plus Q.Clear β400 MPDL
マトリクスサイズ 128*128 384*384
スライス厚【mm】 3.27 2.07
投与量 3.7MBq/Kg 3MBq/Kg

表1.DiscoveryST Elite16とOmni Legend32の当センター撮影条件の比較


Omni Legend32では頭頂部~骨盤の範囲を、4Bedでほとんどの患者様を撮影することができます。(図1.)当センターでは1Bedあたり90秒で撮影を行っていますが、体幹部の呼吸性移動がある部位(胸部~下腹部)は、デバイスレス呼吸同期のAdvanced Motion Free(AMF)を適用させて撮影を行っています。AMF使用部位の収集時間は180秒撮影とし、Total撮影時間は6~9分、悪性黒色腫やサルコイドーシス、骨転移を認めた症例などの全身撮影は、9~12分となります。(図2.) AMFを使用することにより肝転移の検出能を向上させることが可能で、より正確な診断へと繋がっています。(表2.)


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OmniLegend_Toyamairyou02.jpg表2.AMFとPrecision DLのMIP画像の比較

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図3.Omni Legend32外観


Omni Legend32はガントリ側にモニタが設置されており、プロトコルや患者選択が可能です。モニタには患者情報が表示されるため、入力ミスや患者様の取違いをおこしにくい構造となっています。天井に設置されているAIカメラでは、画像がリアルタイムにモニタに表示され、撮影範囲の設定を自動で行ってくれます。モニタ右下のボタンをタップすると寝台が上昇し、設定されたスキャン開始位置まで自動で寝台が移動します。そのため、操作者は必要最低限の動きと時間でポジショニングを行う事が出来ます。これは技師の被ばく低減にも、役に立っています。(図4.)

グラフ1はAIカメラを使用してポジショニングした場合と、マニュアルでポジショニングした場合のアイソセンターに対する患者様の高さ方向の位置を比較したグラフです。AIカメラを用いてポジショニングを行う事でマニュアル操作よりも操作者間のバラツキが少なく、ガントリの中心へポジショニングが出来ています。最終的なポジショニング位置は技師が手を加えることでさらに精度を上げる事も可能と思われ、今後運用を行いながら検討したいと考えています。


OmniLegend_Toyamairyou04.jpgグラフ1.AIカメラとマニュアル位置合わせ比較

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図4.ガントリ側モニタ設定画面
撮影範囲は水色の点線で表示され、ガントリと接触する可能性が
ある部位は赤色で表示される。


まとめ
Omni Legend32を導入し、旧装置から大幅に使用できる機能が増えました。TOFを使用できないことや短時間収集で撮影すること、投与量を減らすことへの不安もありましたが、Omni Legend32に対する読影医の画像評価は高く、検査を行う技師の操作性と検査効率も予想以上に向上しました。
長時間の撮影から解放され検査の負担が大幅に減ったことで、「すごく楽です。」と患者様に笑顔で話される言葉が撮影を行っていてなによりもうれしいです。