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Omni Legend

JB13981JA

※お客様のご使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

販売名称: X 線 CT 組合せ型ポジトロンCT 装置 Optima PET/CT500, Discovery PET/CT 600
薬事認証番号: 221ACBZX00029000
類型: Omni Legend

Omni Legend の技術の進化
~Discovery MI との比較~

鹿児島共済会 南風病院 医療技術部 放射線技術科
吉野 健 様

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施設紹介

公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 (図 1) は1954年に設立され、一昨年に70周年を迎えました。鹿児島県鹿児島市に位置しており、目の前には雄大な桜島を望むことができる環境にあります。病床数は308 床、外科、消化器科、整形外科など 21 の診療科を備え、鹿児島の急性期病院として地域医療の一翼を担っています。
当院では2006年に画像診断センターを設立し、PET診療を開始しました。サイクロトロン 1 台、合成装置(FASTlab2)2 台、PET/CT 装置 2 台 (Discovery MI, Omni Legend) でFDG を院内製造して PET 検査を実施しております。


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図 1. 施設外観



PET 装置の変遷

画像診断センター開設当初の 2006 年 11 月に GE HealthCare 社製 Discovery ST Elite 16 を導入し、その約 4 年後の 2010 年 7 月には 2 台目として GE HealthCare 社製 Discovery PET/CT 600 Motion を導入しました。その後、2022 年 3 月に GE HealthCare 社製 半導体 PET/CT 装置 Discovery MIへ更新し、さらに2025年1月にはGE HealthCare社製 半導体PET/CT装置Omni Legend へと更新しております。同一患者を異なる 4 機種で撮影した画像を並べて比較すると、新しい装置になるにつれて画質が向上していることが一目で分かります。特に Omni Legend では、撮影時間が短縮されているにもかかわらず、ノイズの少ない高画質な画像を得ることができています (図 2)。


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図 2. 同一患者を異なる 4 つの PET/CT 装置で撮影した画像



仕様の比較

Omni LegendとDiscovery MIの仕様を比較しました (表 1)。 Omni Legendは体軸方向視野 (Axial FOV)が 320 ㎜であり、Discovery MI の 200 ㎜に比べ、1.6 倍拡大しております。これにより、頭頂部から鼠径部まで4 bed で撮影することが可能となりました。DELAY撮像においても胸部や骨盤などの領域を1 bedで撮影できるため、検査時間の短縮につながり、患者様の負担軽減にも寄与しています。Omni LegendではBGOクリスタルが採用されており、その特徴である高感度に加え、細かなカッテングデザインにより、Discovery MI と比較して高い空間分解能を実現しています。


表 1. Omni Legend vs Discovery MI の性能比較

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患者様を安心させるデザイン

高いデザイン性も Omni Legendの特徴の一つです。ガントリー内には調光機能付きライトが搭載されており、患者様に安心感を与える効果が期待できます。また、ガントリー内のデザインにはコーヒーカップやクロワッサンといった隠し絵が施されており、患者様がリラックスして検査を受けられる工夫がされています(図 3)。


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図 3. ガントリーデザイン



Advanced MotionFree ~デバイスレス呼吸同期~

両機種には呼吸同期の機能が搭載されています。Advanced MotionFree (AMF) はGE HealthCareのデバイスレス呼吸同期技術であり、外部デバイスの装着が不要で、特別なセットアップを必要としません。撮影中に装置がリアルタイムで呼吸の影響を解析し、呼吸同期の要/不要を自動的に判定するため、ルーチン検査の流れの中で自然に活用することが可能です。呼吸同期画像では、呼吸の影響を受けやすい横隔膜近傍の集積をより正確に描出できるだけでなく、定量性の向上にも寄与します。図 4の呼吸同期ありの画像では、呼吸同期なしの画像と比較して腫瘍がより明瞭に描出されていることが確認できます。


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図 4. 呼吸同期ありとなしの画像比較



Deep Learning 3D カメラ ~自動位置決め機能~

Deep Learning 3Dカメラは、PET/CT 室の天井に設置した AI カメラで、患者様が寝台に横になると自動でポジショニングを行う機能です。撮影プロトコルに応じて基準点と撮影範囲を自動的に認識し、ガントリー横のボタンを押すことで寝台が上昇し、適切な撮影ポジションへと移動します。
そのため、ポジショニング作業が非常に簡便になりました。Discovery MIでの従来のポジショニングと、Omni LegendのDL カメラによるポジショニング時間を3 名の技師で比較したところ、いずれも30 秒以上短縮され、セットアップ時間を約50%以上のセットアップ時間を削減できることが確認できました(表 2)。検査効率の向上だけでなく、技師の被ばく低減にも貢献する機能であると考えられます。


表 2. Omni Legend と Discovery MI との患者セットアップ時間を比較
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Precision DL ~ディープラーニング画質向上技術~

Omni Legendでは、Deep Learning技術を用いた画像処理機能 Precision DLを搭載しております。Precision DLはディープニューラルネットワークを用いて設計された技術であり、数千枚のTOFあり画像とTOFなし画像の差分を学習データとして用いることで、TOFで得られる主なメリットを活用することを目的としています。この技術により、TOFによるノイズ低減効果に加え、学習データとしてQ.Clearも用いていることでSUVの信頼性を保ちながら、小さく低コントラストの病変検出能の向上が期待できます。
このPrecision DLは処理強度をLow, Medium, Highの3 段階から選択することができ、複数の強度で再構成を行うよう設定することも可能です。それぞれの画像を比較すると、Highではよりシャープな画像となり、Lowではノイズの少ない滑らかな画像となります(図 5)。実際の病変集積で比較すると、いずれのPDL強度でも微少な集積のコントラスト向上が確認されましたが、特にHighの画像では5 mmの骨転移の病変がより明瞭に描出されています。


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図 5. Precision DL比較画像 (→肺癌 骨転移 5 mm 病変)



Enhanced AC ~PET と CT の位置ずれ補正~

Omni Legendには、PETとCTの位置ずれ補正するEnhanced ACが搭載されています。呼吸同期 PETでは呼気相で撮影し、CTも呼気止めで撮影するため、いずれも呼気条件で取得された画像となりますが、実際の臨床では一定数、それら画像に位置ずれが生じ、減弱補正が適切に行われず、横隔膜領域にアーチファクトが生じる場合があります。Enhanced ACでは、PET画像上でミスマッチによる低値アーチファクトを検出し、その情報をもとにCT画像を非線形変形させて補間することで、新しい減弱補正用のCT画像を生成します。そのCT画像を用いて再度PET画像を再構成することで、位置ずれの影響を低減した画像を得ることが可能となります。臨床においても、呼吸のずれにより減弱補正が適切に行われず描出されていなかった病変が、Enhanced ACを適用することで明瞭に描出された症例を経験しました(図 6)。Enhanced ACは、横隔膜領域における融合ずれによるアーチファクトの改善だけでなく、集積の正確な描出やSUV評価の信頼性向上にも有用な機能であると考えられます。


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図 6. Enhanced ACが有用であった症例



最後に
Omni Legendは、BGOクリスタルによる高感度、高空間分解能の両立を実現しており、微小な集積も捉えやすい高画質なPET画像を提供できる装置です。また、デバイスレス呼吸同期撮影により、特別な準備は必要とせず、呼吸の影響を抑えたクリアな画像が得られます。DLカメラによる自動ポジショニングにより、セットアップ時間の短縮や検査スループット向上の向上が期待でき、撮影者の被ばく低減にもつながります。さらに、Precision DLにより、微少な集積のコントラスト向上が期待でき、Enhanced ACではPETとCTの位置ずれによるアーチファクトを軽減した画像を得ることが可能です。これらの機能により、臨床現場において高品質なPET画像を安定して提供できる装置であると感じています。今後も、より質の高いPET画像を提供できるように取り組んでいきたいと考えています。また、GE HealthCareには、単に高性能であるだけでなく、現場の技師にとって使いやすく、患者にとって安全で効率的な診療を支える製品開発とサービスのさらなる発展を期待しています。




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