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Senographe Crystal Nova

JB06580JA

※お客様のご使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

乳房用X線診断装置 Senographe Crystal Nova
認証番号認証:230ACBZX00002000 類型:Senographe PristinaTM

Senographe Crystal Nova 使用経験

KKR高松病院 放射線科
岡川 朋子 様

 

病院紹介
当院は総合内科、血液内科、リウマチ科、脳神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、代謝内分泌内科、腎臓内科、呼吸器外科、消化器外科、泌尿器科、眼科の診療科で、一般病床179床を有する救急指定病院です。
また、人間ドックセンター(人間ドック学会機能評価の認定取得)を併設しており、マンモグラフィは主にこちらの人間ドック、検診のオプション検査として活用しています。2009年のマンモグラフィ導入当時は年間約500件程度でしたが、現在では年間約2000件へと大幅に件数が増加しました。


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Fig.1 KKR高松病院 外観

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装置選定から導入まで

2009年より長年愛用してきましたGE社製Diamondの老朽化に伴い、新装置を導入することになりました。 今回の新装置導入では CR/フィルムシステムからFPD/モニタシステムへと大幅な更新でした。
当院は乳腺外科がないためトモシンセシス、バイオプシが不要であり、ドック・検診が主体でほぼ午前中のみの検査であるためランニングコストも重要視しました。そのことも考慮したうえで下記のような選定条件にしました。

  1. 装置および発生器のサイズ
  2. ポジショニングが容易である
    (乳房支持台サイズ、アームレスト、圧迫板 等)
  3. 温度・湿度管理が不要
  4. 画質
  5. 低被ばく


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Fig.2 GE社製Diamond
(旧マンモグラフィ装置)

 

使用経験
1. 装置本体
当院のマンモグラフィ検査室は階段下という特殊で極小な部屋のため、X線発生器が複数ある場合や装置本体が大きいと動線が悪くなるおそれがありました。しかし、Crystal NovaはX線発生器も1つで小さく、本体もとてもコンパクトで以前のCRの装置よりも小さいのではないかと思えるくらいでした。
また、装置本体が綺麗なパープルなので壁紙や床と統一感を持たせて柔らかな印象の撮影室になりました。

 

CrystalNova_Takamatsu_04.jpgFig.3 階段下 撮影室

CrystalNova_Takamatsu_05.jpgFig.4 Crystal Nova 撮影室

 

2. ポジショニング

CRからFPDへ移行することで今までのポジショニングが通用するのかとても不安でしたが、実際にCrystal Novaを初めて使用したときに何の問題もなくポジショニング出来たことにはとても驚きました。やはり一番のこだわりでもあった乳房支持台の形状のおかげだと思います。Fig5を見ても分かるように、Crystal Novaの乳房支持台は非常に薄く作られているため、腋窩が乗せやすくポジショニングが容易にできます。さらに奥までほぼ同じ厚みを保っていることにより車いすでの撮影もとてもスムーズに行うことが可能です。また、以前の装置ではアームレストが握れるようなバータイプになっていましたが、Crystal Novaは溝のようになっており力が入りにくい設計になっています。そのため、大胸筋も綺麗に凸を描くことが多くなりました。

CrystalNova_Takamatsu_06.jpgFig.5 乳房支持台


コンソールの画像確認用のモニタは可動式なのでRISと隣り合わせて置くことで前回の画像との比較が容易になりました。前回の画像を簡単に確認することが出来るようになったことで、病変の有無、ポジショニング時の留意点、圧迫板の選択など様々なことが事前に分かるようになり以前よりも質の良い写真を提供できるようになったと自負しております。

圧迫板は標準サイズ(Sliding)に加え、分割して撮影するような大きな乳房の方に向けた24×29サイズ(Standard)と小乳房用(small&ID)がありとても重宝しています。
標準サイズ(Sliding)の圧迫板を使う場合には、撮影毎にスライドさせて使用します。CRにはなかった手順だったので少々戸惑いましたが、圧迫板と照射野が合っていないとお知らせメッセージが表示されるようになっています。また、撮影メニューで圧迫板の種類が確認できるようになっています。Crystal Novaを導入して約5ヶ月が経ち身体が当たり前のように動くようになり、特に難しいと感じることはなくなりました。
CrystalNova_Takamatsu_07.jpgFig.6 コンソール

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Fig.7 圧迫板、コリメーター

 

3. 被ばく、画質

乳腺密度の測定とCNRにより最適な撮影条件を選択してくれるAOPモードのおかげでとても少ない被ばく量で高画質の撮影が出来ています。CR 時に比べるとスキャン時間が生じるため、やや圧迫されている時間が長く感じますが、乳房支持台が優しく丸みを帯びたデザインのため受診者の方はさほど苦痛と感じないようです。むしろ、今までのマンモグラフィと比べて『痛みが少なかった』『もう終わったの?』という声を多く聞くようになりました。

サンプリングサイズが100μというのは他社と比較しやや大きく不安要素の一つでしたが、臨床において違いが分かるほどの差は全くありません。ほぼピクセル等倍でモニタ表示されるため年間約2000件の読影を行っている読影医の負担が少しでも減るメリットの方が大きいです。そして、サーバーの負担もかなり違ってきます。1枚当たりの容量が約9MB と他社と比較し圧倒的に小さいため、他のモダリティとサーバーを共有している当院にとってはかなりのメリットです。

また、フィルム診断からモニタ診断へ移行するため読影に支障がでるのではないかと心配していましたが、Crystal Novaにはつ4つのeContrastレベルがあり読影医の好みに合った画像を提供できるためとても好評でした。

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Fig.8 eContrast

 

終わりに
四国初導入ということもあり多少の不安もありましたが、本当にCristal Novaを選んで良かったと思っています!コロナ渦で実際の装置を見ることが出来ないままの選定となりましたが、旧マンモグラフィ装置(Diamond)で約12年のお付き合いをさせて頂いて、GEさんのサポート力を十分に知っているからこそ選ぶことが出来たと思います。メンテナンスは勿論のことですが、日々の些細な質問にも丁寧に対応してくださり、本当に助かっています。

現在は、Cristal Novaの導入とともに開始した市の検診で急激に年齢層が上がり悪戦苦闘しておりますが、日々精進してまいりたいと思います。
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Fig.9 担当放射線技師