施設概要
当院は昭和27年8月に開設されました。
「医療を通じて社会に貢献する」を理念に掲げ地域医療に力を注いでおります。
・病床数:247床
・乳腺外科医(常勤) :4名
・外来用のマンモグラフィ装置:2台設置
・マンモグラフィ担当技師:9名
・マンモグラフィ年間件数:約1万件
壁屋 真夕 様 糸数 恵 様
譲れなかった選定ポイント
当院はマンモグラフィの件数が大変多い施設で、曜日によっては70~80件撮影をこなしております。GEヘルスケア社のSenographe Pristina(以下Pristina)を設置する前に使用していた装置では、年数が経過していたことも原因の一つかもしれませんが、マンモグラフィ装置のフラットパネルディテクタ(以下FPD)がオーバーヒートしてしまうことがしばしばありました。オーバーヒートしてしまうとアラートが表示されて装置の冷却作業が必要になり、その間は検査が滞ってしまいます。検査が滞らないように空調には最大限気を配り、一年を通して冷房と強風の設定にしておりました。上半身脱衣して検査を行うため、患者様にはきちんとご説明し、肌寒いお部屋での撮影にご理解をいただき検査してきました。また撮影スタッフにとっても、寒い部屋での検査や、撮影が継続できなくなってしまうかもしれない状況はストレスに感じていました。
よって装置更新時には、多くの件数をこなしても検査が滞らないこと、季節によらず快適な温度で運用できることを重視し、撮影に集中できる環境を整えたいと考えました。
また以前から2台装置体制であり、画質の統一のため2台同じ装置で検討しました。
まとめると、今回選定の際に優先したポイントは下記となります。
① 検査を滞らせずに安定稼働ができること
② 一年を通じて快適な室温で運用できること
③ 画質が良いこと
Pristinaと検査室デザイン
女性向けに暖かく落ち着いた色合いの装置なので、内装は装置に合わせたピンクの床材にすることで、元からある花柄の壁紙ともマッチしています。使用している私たちも和んでいます。装置の付属品である圧迫板収納棚も大変使いやすく、装置とおそろいの色合いなので部屋全体の雰囲気も一体感があり、とても落ち着きます。
2D/3D撮影、バイオプシ検査が可能な撮影室
快適な室温での運用が可能に
以前は冬場でも冷房を強くかけており、患者様にも肌寒さにおいて負担をかけていましたが、Prisitinaになってからは冬場には普通に暖房を使用できるようになりました。当院が地下の検査室で理想の温湿度環境にはなりにくいのですが、既存のエアコンのみで温度管理ができるようになり、通年で快適な温度に保てています。
ポジショニングで感じたこと
乳房支持台が薄く丸みを帯びているためか、患者様からも「前より痛くない」と言っていただけることが多いように感じます。
圧迫板は19×23㎝の小さめサイズでポジショニングしやすく、薄い乳房でも手が抜きやすいです。MLOのときはスライドさせて使用しますが、スライドと撮影方向があっていないと安全機構が働いて圧迫できないようになっています。スライドをし忘れるという、うっかりミスもなく撮影できます。
増加傾向の大きい乳房撮影が楽に
以前は週に1~2人、大きい胸の方を分割して撮影をしていました。最近は大きい胸の方も増えているような気がします。PristinaではFPDのサイズが大きく、24×29㎝のFOVで撮影可能になったので、分割撮影の必要はなくなりました。分割撮影では、CCは横の分割、MLOは縦の分割になることが多いように思いますが、CCとMLOで分割の枚数が異なることもあるので、ビューワ上の表示や並びが複雑になってしまい、読影医から説明を求められることもありました。また分割撮影の際には、照射回数が増えて被ばくを気にされる方も多いので患者様にも丁寧に説明をしておりました。現在はこのような煩雑さがなく、基本の左右CC/MLO 4方向4枚撮影ができるようになり、スムーズに検査を進められています。
角に丸みを持たせた乳房指示台
24×29サイズの圧迫板
乳腺外科医の画像評価
以前使用していた別メーカーの装置の時は、高濃度乳腺の方や厚みのある方などは白っぽい画像になってしまい、淡い石灰化や腫瘤が見えにくかったように思います。Pristinaになってからは高濃度乳腺の方も厚い胸の方も石灰化や腫瘤が見やすくなったと感じます。当院では画像処理設定はe-Contrast3を基本に使用しています。Pristina稼働後には、普段は大変お忙しい乳腺外科の先生からわざわざお電話をいただき「画像がみやすくなりましたね」とおっしゃって頂きました。他院の画像も多く読影している先生からこのようなコメントを頂き、この装置を選んで良かったと技師一同でほっと安心しました。
最後に
検査件数が多く装置にはかなり負荷がかかっていると思いますが、今まで大きな故障もなく撮影できています。 温度や湿度の耐久性が高い間接変換FPDを搭載したPristinaを選択して本当によかったと考えています。
2D撮影用の撮影室
操作室に設置したコンソール
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