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 核医学検査装置 お客様の声
 速報:アジア初、GE製Digital PET/CT Discovery MI稼働~臨床画像集~

 

厚地記念クリニック PET画像診断センター
院長 陣之内 正史 先生

前回のスマートメールにて、アジアで初めてのGE製Digital PET/CT Discovery MI(以下、DMI)を導入したことを報告し、正常脳の画像をお示し致しました。
DMIは昨年12月に設置、ファントム試験、ボランティア検査を終え、今年1月から本格的に臨床稼働が始まりました。2月半ばまでで300件以上の臨床検査を行い、その極めて高い画質に満足しています。

今回は、ファントム試験結果の一部を提示し、加えてDMIの臨床例の画像をこれまで使用していたDiscovery PET/CT 600(以下、D600)あるいはそれ以前のDiscovery ST(以下、DST)と比較しつつ紹介します。

臨床画像では、従来機と並べて比較すると、一目でDMIがとても素晴らしい画像であることが分かると思います。とくに体格の大きな例でもノイズが低減され、高い画質が得られています。また、多発転移を有する例では、従来機では見えづらい小さい病変も明瞭に描出されています。

脳の画像も、D600に比べてコントラストも優れシャープな画像で、以前のD600の画像は、DMIと比較するとかなりボケて見えます。これまで、比較的きれいだと思っていたD600の画像が、これほどボケていたのかと思う本当に愕然とします。
最近、延髄外側症候群で、延髄下方外側の小さい梗塞巣の低集積が描出できた例を経験しました(非提示)。これまでのPET/CTでは、まず病変を見つけようとは考えないような部位とサイズの病変でした。脳のFDG-PET画像の見方、姿勢を変えるインパクトがあると感じています。 また、今後、アミロイドやタウPETも、画質の向上によってより明瞭な画像が得られ、判定がより容易になることが期待されます。

尚、当施設では、つい最近D600のバージョンアップを行い、Q.Clearを導入しました。こちらも期待していた以上に画質が良くなっています。

 

 ファントム試験結果および装置構成
ファントム試験結果および装置構成
BSREM:Block Sequential Regularized Expectation Maximization

 

 <症例1>

D600とDMIの比較 MIP像(正常例 166cm、60kg男性)、撮像日は異なる

MIP像 ●DMIは、ノイズが少なくクリアな画像
・肝臓、筋肉などバックグラウンドのざらつきが
 ほとんどみられず、均一でつるんとした印象
・D600で見られる撮像下端のノイズがない

撮像および再構成条件
D600:2分×9Fr、128x128、VUE Point HD-S
DMI :2分×7Fr、192x192、Q.Clear(β700)

D600とDMIの比較 コロナル像 (正常例 166cm、60kg男性)

>D600とDMIの比較 コロナル像 正常例

●コロナル像で見ると、DMIはノイズが抑えられ、かつコントラストが良くなり、臓器の辺縁がシャープ
・大脳皮質がくっきりと見える
・放射活性のない肺、骨、皮下脂肪、内臓脂肪の抜けが際立ち、切れが良い画像

 

 <症例2>

3機種 DST、D600、DMIの比較 MIP像 BMIの大きな正常例(166cm、103kg 男性)、撮像日は異なる

DST、D600、DMIの比較 MIP像 BMIの大きな正常例

●DST、D600では全体にノイズが目立つ
●DMIでは肝臓、筋肉などのノイズが少なく、クリアな像

 

 <症例3>

D600とDMIの比較、MIP像 同一日に撮像(多臓器転移があり、小さい多発転移がより明瞭)

>D600とDMIの比較、MIP像 卵巣癌再発、多臓器転移例
DMI撮像→D600撮像
・左頚部~肩周囲の広い集積は、放射性軟部組織炎
・右腋窩リンパ節多発転移に小さい多数集積
・腹部骨盤内の多数の集積は、リンパ節転移と腹膜播種
・右大腿の集積は筋肉内転移

・DMIでは小さい病変がより明瞭で、
 特に矢印の傍椎体リンパ節転移はDMIのみで指摘可能
 (D600の撮像はFDG投与後2時間で、delayed scan
 に相当し、小さい病変はより明瞭に見えるはずだが、
 DMIの方が明瞭となっている)

撮像および再構成条件
DMI :1時間後、2分×7Fr、192x192、
Q.Clear(β700)
D600:2時間後、2分×9Fr、128x128、
VUE Point HD-S

D600とDMIの比較、コロナル像(傍椎体リンパ節転移レベル)

D600とDMIの比較、コロナル像 D600とDMIの比較、コロナル像
傍椎体リンパ節転移、7mm大
・D600では肝よりわずかに高い集積
・DMIでは明瞭に描出

D600とDMIの比較、コロナル像(脳転移・腹膜播種・大腿軟部組織転移レベル)

D600とDMIの比較、コロナル像(脳転移・腹膜播種・大腿軟部組織転移レベル) ・左前頭葉の脳転移がよりクリア
 1フレーム2分の画像でも、ボケが少なく、
 コントラストが良く明瞭

・肝右葉外側の腹膜播種と右大腿軟部組織転移の辺縁が
 ボケずにくっきり見える

 

 <症例4>

D600とDMIの比較、同一日に撮像(多発肝転移の呼吸性移動が分かる例)

D600とDMIの比較、同一日に撮像(多発肝転移の呼吸性移動が分かる例) 多発肝転移
 D600撮像→DMI撮像

 DMIでは、小さい肝転移が呼吸性移動により
 下方に尾を引いている
 →彗星のように見える

撮像条件
D600:1時間後、2分×9Fr、128x128、VUE Point HD-S
DMI :1.5時間後、2分×7Fr、192x192、Q.Clear(β700)

 

 <症例5>

D600とDMIの比較(ほぼ正常脳)撮像日が異なる

D600とDMIの比較、同一日に撮像(多発肝転移の呼吸性移動が分かる例) ●DMIは分解能が良く、コントラストも優れ、
 シャープな画像である
 ・小さい構造が明瞭
 ・皮質・白質・脳室が分かれて見える

●D600は、DMIと並べて比較するとかなりボケて見える


撮像条件
D600、DMIともに
 投与後1.5時間で撮像10分
 再構成マトリックス 256x256
スライス厚、再構成
 D600 3.27mm VUE Point HD-S
 DMI  2.79mm Q.Clear(β120)
(全脳のスライス枚数が異なる)


 

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※お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

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