コマンドセンター 導入事例 ・ Voice of Customer
医療データサイエンス講座 教授(特定雇用)
コマンドセンター
7月14日(日)にアクトシティ浜松で行われたJCRミッドサマーセミナー2024 ランチョンセミナーにおいて、信州大学医療データサイエンス講座 教授 山田 哲先生にご講演いただきました。現在、信州大学医学部附属病院では、患者さんが求める質の高い医療の提供と業務効率の向上を両立させるためのシステムとして、コマンドセンターをご導入いただき、本格稼働に向けて取り組んでおります。

近年、医療現場では「医師の働き方改革」により効率的な業務運営が求められています。特に、医療データの管理と活用は、質の高い医療サービスを提供するために必要不可欠です。そこで注目されるのが、GEヘルスケア・ジャパンが提供する「コマンドセンター」です。当院では、昨年より導入に向けて「信大病院PEACEプロジェクト※」を立ち上げ、コマンドセンターの本格稼働に向けて取り組んでいます。
医療現場では、長時間労働や過重な業務負担が問題視されています。コマンドセンターは、業務の可視化と効率化を通じて、医療従事者がより良い環境で働けるようにすることを目指しており、導入によって医療業務の効率化だけでなく、医師の働き方改革にも寄与します。このプロジェクトは、現場からの熱意に基づいて発足し、医療従事者が自らの業務を見直し、時間内で効率よく業務を遂行できるようにするための取り組みです。CTなどの診断業務は、病院の中心的な業務であり、検査の効率化は医師だけでなく病院全体の働き方改革に寄与すると考えています。
このプロジェクトは、「CT業務の見える化と行動提案による最適化」を目標に掲げ、コマンドセンターの導入を病院全体のプロジェクトとして位置づけ、放射線科医の意見を取り入れるだけでなく、放射線技師や看護師、医療情報部、事務部、さらには患者サポートや診療各科の先生方にも参加していただき、多様なメンバーで改革を進めています。プロジェクトは昨年4月に発足し、GEヘルスケア・ジャパンのメンバーと共に定期的なミーティングを重ね、2週間に1回のペースで進捗を確認しながら、これまでに20回以上のミーティングを実施しています。
画像診断業務の最適化には、読影だけではなく、前後のプロセスの最適化が必要不可欠で、コマンドセンターの導入に合わせて、プロセスマイニングを活用しました。プロセスマイニングとは、病院情報システムを始めとした基幹システムからログデータを収集し、業務プロセスの分析を行い、ボトルネックや無駄なプロセスを可視化する手法です。この手法を用いることで、過去の業務のどの部分に改善の余地があるのかを明確にすることができます。具体的には、3D処理が必要な検査や読影に時間を要する検査を1日のなるべく早い時間に行い、残業の軽減や読影効率を向上させる取り組みに繋がっています。
課題を再認識するためにGEヘルスケア・ジャパンが技術提供しているワークアウトを通じて、実現可能性と効果性を軸に課題を洗い出し、まずは電話連絡を減らして予約プロセスを効率化するための具体的なアプローチを検討することにしました。従来の予約プロセスは、オーダリングシステムを通じて予約を取っていましたが、予約が取れない場合は特別な手続きを経て予約を取る必要があり、診断医や放射線部門受付に電話連絡が集中する状態でした。そこで電話連絡を必要としないオンコール枠や当日・前日に予約可能となる新設枠の設定を行いました。また、予約者と予約枠を管理する権限がバラバラな状態であったことから、今後は運用自体を見直し、予約者の権限を限定した新しい体制を整え、コマンドセンターで最適な枠を判断する仕組みの構築を目指しています。
コマンドセンターは、様々な病院システムや部門システムから収集した情報をもとに、CT業務の進行状況や予約状況をリアルタイムで表示することが可能で、業務の可視化だけではなく、行動提案することにより業務を最適化できる革新的なシステムです。コマンドセンターは、以下のような具体的な機能を持っており、すべての電子カルテ端末から参照が可能となっています。
3台のCT検査の進行状況や緊急性をリアルタイムで表示し、スタッフ全員が同じ情報を共有できます。これによりスタッフ間の意見交換を円滑にし、緊急の依頼に対しても、迅速に対応できる体制が整います。
検査の属性や造影の有無、緊急度に応じて検査プロトコルを判断し、効率的なスケジューリングを行います。医療現場の混雑を軽減し、患者へのサービス向上に繋がります。
検査の属性から実施・読影に時間を要する検査を推測し、業務の円滑化に最適な時間に検査を推奨します。また、検査の進行状況や読影完了率を可視化することで問い合わせ連絡を軽減させることが可能です。
コマンドセンターの導入により、医療現場の業務効率が向上し、医療従事者の働き方が改善されることが期待されています。また、患者にとっても質の高い医療サービスが提供されるようになります。このプロジェクトは、病院全体の効率向上を目指すものであり、医療従事者がより良い環境で働けるようにすることが最終的な目標です。コマンドセンターは画像診断業務を改善するためのツールですが、上手く使いこなすプラクティスが必要で、これはAIではなく、人にしかできないと考えています。
GEヘルスケア・ジャパンのコマンドセンターは、医療業務の最適化を通じて、より良い医療環境の実現に向けた一歩を踏み出しています。今後の展開に期待が寄せられる中、医療従事者が効率よく働ける環境を整えるための取り組みは、ますます重要になると考えます。コマンドセンターは、医療現場の未来を切り開くための重要なツールとして、今後も注目されると考えています。
※信大病院PEACEプロジェクト~CT業務の見える化と行動提案による最適化~:迅速で(Prompt)、効率で(Efficient)、正確な(Accurate)、CT検査(CT Examination)を目指すプロジェクト。医療従事者の皆様および患者さんの双方が安心、穏やかな気持ち(Peaceful)を得られるようにという期待も込められています。
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