MRI 導入事例 ・ Voice of Customer

脳神経外科MRI運用の価値向上
AIR™ Recon DLがもたらした変化

かまだ脳神経外科長崎駅前クリニック 院長

鎌田 健作 先生

SIGNA™ Creator 1.5T + AIR™ Recon DL(Small Upgrade)
かまだ脳神経外科長崎駅前クリニック 院長 鎌田 健作 先生

かまだ脳神経外科長崎駅前クリニック様は、2022年12月にSIGNA™ Creator 1.5Tを導入していただきました。その後、2026年2月にSmall Upgrade(既存装置を活用した機能アップグレード)を実施し、最新ソフトウェアへのバージョンアップと、ディープラーニング画像再構成技術であるAIR™ Recon DLを導入していただきました。本稿では院長の鎌田 健作先生に、AIR™ Recon DL導入がMRI検査へ与えたインパクトについてお話を伺いました。

はじめに:導入に至った経緯

長崎駅前に位置するかまだ脳神経外科長崎駅前クリニックでは、地域の脳卒中予防、認知症診療、頭痛・めまいなどの精査を中心に、MRIを日常診療の重要な基盤として活用しています。当院のMRI検査はほとんどが頭部領域であり、限られた診療時間の中で、できるだけ早く、かつ診断に十分な画質で検査を提供することが求められます。2022年12月にSIGNA™ Creatorを導入して以降、地域の患者さんに迅速な画像診断を届ける体制を整えてきましたが、検査件数の増加とともに、さらなる画質向上と検査効率化が課題となっていました。特に、頭部MRIに頸部MRAを加えたルーチン検査、フォローアップ検査、必要に応じたVSRAD、内耳評価、頸部プラーク評価などを、診療の流れを止めることなく実施するためには、撮像時間と画質の両立が不可欠です。

そこで2026年2月、AIR™ Recon DLの導入を含むSmall Upgradeを実施しました。装置全体を更新するのではなく、既存装置の価値を高めながら最新技術を導入できる点も、導入を判断する大きな理由となりました。

かまだ脳神経外科長崎駅前クリニック 外観
図1. かまだ脳神経外科長崎駅前クリニック 外観

AIR™ Recon DLの臨床メリット

AIR™ Recon DL導入後、まず実感したのは画像の見やすさの向上です。ノイズが低減され、脳実質、脳室周囲、白質病変、血管周囲構造などの視認性が高まったことで、日常診療における読影のしやすさが向上しました。特にフォローアップ症例では、過去画像との比較において微細な変化を追いやすくなり、診断の確信度向上に寄与していると感じています。導入初期の段階から、1.5T装置でありながら「3.0T並みの画像」と感じられる画質が得られたことは、臨床的に大きなインパクトでした。

また、体動補正技術PROPELLERとAIR™ Recon DLの組み合わせは、体動の影響を受けやすい患者さんに対して有用です。脳神経外科の外来では高齢の患者さんも多く、検査中の静止保持が難しい場面があります。体動によるアーチファクトを抑制しながら、AIR™ Recon DLにより高いSNRと自然な画像印象を得られることで、再撮像の低減や読影負担の軽減につながります。画質を上げるために単純に撮像時間を延ばすのではなく、臨床で必要な情報を短時間で安定して得られる点が、日々の診療における大きなメリットとなっております。

AIR™ Recon DLによる視認性向上の臨床例
図2. AIR™ Recon DLによる視認性向上の臨床例

AIR™ Recon DLの経済性

クリニック運営において、MRIは診療の質を支えると同時に、経営面でも重要な設備です。AIR™ Recon DL導入後は、画質を維持したまま撮像時間を短縮できたことで、検査枠の使い方に余裕が生まれました。導入前は30分枠で予約運用を行っていましたが、現在は全ての検査枠を20分枠へ変更しています。頭部MRI+頸部MRAを含むルーチン検査は従来約20分を要していましたが、現在は約15分で撮像可能となりました。(図3)検査件数についても、導入前に比べ、平均して導入後2件ほど検査件数を増やすことができております。重要なのは、単にシーケンスの数を減らして検査時間を短縮しているのではなく、必要なシーケンスは撮像しつつ、検査時間の短縮ができている点です。MRI検査の質を向上させつつ、撮像時間を短縮できたことで、これまで以上に地域の紹介元医療機関からの検査依頼にも迅速に対応できるようになり、地域のMRI検査ニーズに応えています。既存装置を活用したSmall Upgradeにより、装置更新に比べて投資負担を抑えながら検査能力を高められることは、経済性の観点でも大きな価値があると考えています。

Small Upgrade前後の頭部ルーチン検査 撮像時間比較
図3. Small Upgrade前後の頭部ルーチン検査 撮像時間比較

ワークフロー向上のメリット

ワークフロー面では、Deep Learningを用いた自動位置決め機能 AIRx™ の導入により、技師の設定時間短縮にもつながり、検査開始までの準備を効率化できることもメリットです。頭部MRIにおけるスライス設定の標準化と再現性が向上しています。頭部領域では、同一患者さんのフォローアップを継続的に行うことが多く、撮像位置のばらつきが比較評価に影響することがあります。特に脳腫瘍など病変の大きさや形態変化を継続的に観察する際には、過去検査と同じ断面で撮像されることが重要ですが、AIRx™により撮像断面のばらつきが抑えられ、病変の変化を評価しやすくなっています。経時的な比較における信頼性向上は、診断精度や経過観察の質の向上にもつながる重要な要素だと感じています。AIRx™によって、検査毎の撮像断面の差を抑え、経時的に安定した読影につながる点は重要です。

また、AIR™ Recon DLによる検査時間の短縮により、外来診療全体の流れがスムーズになりました。従来、追加撮像を行う場合には、検査時間が長くなり次の予約枠への影響を考慮する必要がありましたが、現在は検査時間に余裕が生まれたことで、必要に応じて追加シーケンスを選択しやすくなり、診断目的に応じた柔軟な検査運用が可能となっています。現在は、VSRAD、内耳、頸部プラークBlack Bloodなどを追加する場合でも、シーケンスを見直しながら概ね20分を超えない運用を検討できています。必要な検査を諦めず、診断目的に応じて柔軟に検査内容を調整できるようになったことは、医師・技師双方にとって大きな改善です。

患者さんにとっても、検査時間が短くなることは身体的・心理的負担の軽減につながります。実際に、患者さんから「以前より検査が早く終わるようになった」といった声をいただくこともあります。閉所が苦手な患者さんや長時間の静止が難しい患者さんに対して、短時間で質の高い検査を提供できる意義は大きいです。また、検査が予定時間内に収まりやすくなることで、待ち時間の短縮、診療説明までの時間短縮、スタッフの業務負荷軽減にもつながります。MRI検査単体の効率化にとどまらず、外来全体の診療品質向上に寄与していると感じています。

Small Upgradeのメリット

Small Upgradeによって最新技術を導入できたことは、当院にとって非常に有用でした。装置を入れ替える場合には大きな投資やダウンタイムが発生しますが、今回のように既存装置を活かしながら最新技術を追加できることで、診療への影響を抑えつつ装置価値を高めることができます。実際のSmall Upgradeでは、休診日の木曜日を活用し、水曜日の診療終了後からアップグレード作業を実施しました。翌金曜日には新機能のトレーニングを行いながら、通常通りMRI検査を行うことができました。患者さんの予約変更や検査スケジュールへの大きな影響もなく、円滑に最新技術を導入することができました。既存装置を活用しながら、日常診療への大きな影響なく最新技術を導入できた点は大きなメリットでした。医療機器を長期的に有効活用しながら、必要なタイミングで機能を更新できる仕組みは、クリニック経営において合理的な選択肢であると感じています。

Small Upgrade実施スケジュール
図4. Small Upgrade実施スケジュール

まとめ

今回のSmall Upgradeを通じて、AIR™ Recon DLは単なる画質改善技術ではなく、臨床価値、検査効率、患者さんの負担軽減、経営性のすべてに関わる重要なソリューションであることを実感しました。高画質化と時短を両立できることで、頭部MRIを中心とした当院の診療スタイルに非常に適した技術であると考えています。今後も、地域の患者さんに対して迅速で質の高いMRI検査を提供し、脳疾患の早期発見と継続的なフォローアップに貢献していきたいと考えています。GE HealthCareには、既存装置の価値を高めながら臨床現場の課題解決につながる技術提案を今後も継続して期待しています。

製造販売:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
販売名:磁気共鳴断層撮影装置 Optima MR360/Brivo MR355
医療機器認証番号:222ACBZX00009000

SIGNA Creator は薬事認証上の販売名 磁気共鳴断層撮影装置 Optima MR360/Brivo MR355の類型SIGNA Creatorのことです。

JB15768JA

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