CT 導入事例 ・ Voice of Customer

増加する検査ニーズに応えるCT運用の進化

横浜市立みなと赤十字病院 放射線科部

瀬戸 大介 様

Revolution Vibe
横浜市立みなと赤十字病院 放射線科部
横浜市立みなと赤十字病院

施設紹介

横浜市立みなと赤十字病院は、横浜赤十字病院と横浜市立港湾病院の統合により、日本赤十字社を指定管理者として2005年に開院しました。病床数624床、36診療科を有する地域の基幹病院であり、地域がん診療連携拠点病院や地域周産期母子医療センターなどの指定を受けています。

高度専門医療の提供に加え、救命救急センターとして24時間体制で救急医療を担っており、横浜市南部地域の急性期医療を支える重要な役割を果たしています。また、災害拠点病院として災害時の患者受け入れや医療救護班の派遣などにも積極的に取り組んでおり、地域医療の中核施設として幅広い医療ニーズに対応しています。

導入経緯と導入効果

Revolution Vibe導入以前の当院CT部門は、80列CTを2台(うち1台は救急専用)および128列CTを1台の計3台体制で運用していました。近年、循環器領域の需要増加に伴い冠動脈CT検査件数が急速に増加しており、装置更新に際しては「心臓CT検査のさらなる発展」と「冠動脈CT画像の高品質化」を最重要課題として検討を行いました。

従来、冠動脈CT検査では心拍数をコントロールする目的で、90%以上の症例に対して静注β遮断薬を使用していました。しかし、投与前後の観察時間を含めると検査全体の所要時間が延長し、検査件数の増加やワークフロー改善の妨げとなっていました。そのため、新たな装置には高速撮影性能に加え、高心拍症例においても冠動脈のモーションアーチファクトを効果的に低減できる画像処理技術が必須であると考えました。

各社のハイエンドCT装置を比較検討した結果、心臓CT性能を重視しGE HealthCare社製 Revolution Vibeを採用しました。256列・160mmワイドカバレッジによる高速撮影性能に加え、0.28秒/回転という高速ガントリ回転速度を有している点が高く評価されました。また、Smart Phaseによる最適心位相の自動選択機能や、SnapShot Freeze 2による高度なモーション補正機能により、冠動脈のみならず心臓全体においてモーションアーチファクトを大幅に低減した画像が得られることが導入の決め手となりました。

Revolution Vibe 256列CT
Revolution Vibe(256列CT)

2026年1月中旬より運用を開始し、3月から本格稼働となりました。心臓CT検査枠は従来の1日5枠から8枠へ拡大し、緊急検査や臨時検査にも柔軟に対応できる体制を構築しています。高心拍症例においてもβ遮断薬を使用せずに高画質画像を取得できるケースが増加し、検査時間の短縮とスループット向上に大きく寄与しています。

また、元画像の画質向上により3D解析業務も効率化されました。当院では3D作成専任技師を配置することが難しい状況ですが、良好な元画像が得られることで後処理作業の負担が軽減され、解析時間の短縮にもつながっています。これは日常診療における業務効率化の観点からも大きなメリットとなっています。

心臓検査

当院の冠動脈CT検査では、0.28秒/回転の高速ガントリ回転と160mmワイドカバレッジを活用し、心拍変動の影響を最小限に抑えた撮影を行っています。

心臓検査の設定にはAuto Gatingを使用しており、撮影前からリアルタイムの心電波形を用いて、R-R間の最適な撮影タイミングを自動的に決定します。Auto Gatingの設定には、異常心拍を検出した場合には自動で再撮影または撮影を延長する不整脈マネージメント機能(Smart Arrhythmia Management)、撮影直前の異常心拍を回避するAdaptive Gatingを併用することが可能であり、画質を維持しながら被ばく線量の低減も実現しています。

位置決めにおいてはベースラインポジションが自動取得されるため、毎回再現性の高いモニタリングが可能となり、検査精度の向上にも寄与しています。撮影時間は心拍数に依存するものの、最短では約0.3秒で冠動脈全体の撮影が可能です。撮影後にはSmart Phaseが冠動脈の動きが最も少ない最適位相を自動選択し、その画像にSnapShot Freeze 2を適用することで、さらにモーションアーチファクトを低減した高品質画像が得られます。その結果、高心拍症例においてもβ遮断薬を使用せずに診断能の高い画像を取得できる症例が増加しています。

SnapShot Freeze 2 補正前
SSF2.0(−)
SnapShot Freeze 2 補正後
SSF2.0(+)

心拍数56bpm〜147bpm(撮影時97bpm) SnapShot Freeze 2処理により冠動脈のモーションアーチファクトを補正

冠動脈と大動脈を同時評価する検査では、冠動脈撮影後に続けて大動脈を撮影しています。大動脈撮影はDelay Timeを6.6秒、回転速度0.35秒/回転、ヘリカルピッチ0.984で実施しており、40mmカバレッジながら約6秒程度で撮影が完了します。そのため、冠動脈と大動脈を合わせても総息止め時間は15秒程度であり、患者負担を抑えながら広範囲の評価が可能となっています。

TAVI術前評価においても同様のプロトコルを採用しており、冠動脈撮影後に頸部から膝上までを撮影しています。造影剤先行を防ぎつつVR作成時の血管描出を考慮し、Delay Timeを7.6秒に設定しています。また、心房細動に対するカテーテルアブレーション前検査では、左心耳血栓評価を目的として腹臥位撮影を実施しています。この撮影ではSnapShot Freeze 2は適用できませんが、Smart Phaseのみでも十分にモーションアーチファクトの少ない良好な画像が得られており、診断に有用な画像を提供できています。

まとめ

Revolution Vibe導入後、当院における冠動脈CT検査の画質および検査効率は大幅に向上しました。Smart PhaseおよびSnapShot Freeze 2による高度なモーション補正により、極めてモーションアーチファクトの少ない画像が得られています。また、高速撮影による息止め時間の短縮により、息止め不良に起因するアーチファクトも減少しました。

さらに、高心拍症例においてもβ遮断薬を使用せずに高品質画像を取得できることから、検査準備時間の短縮および患者負担の軽減が実現され、結果として検査スループットの向上につながっています。

導入効果は検査件数にも表れており、心臓CT検査件数は前年同月比で2026年3月が81件から125件へ44件増加、4月は81件から126件へ45件増加と顕著な伸びを示しています。画質向上と検査効率改善の両立が実現できており、装置導入の効果を十分に実感しています。

また、デュアルエナジー撮影についても現在は適応症例を限定して運用していますが、今後は臨床的有用性をさらに検証しながら適応範囲を拡大し、より多くの症例で活用していく予定です。今後も検査ワークフローの最適化と撮影技術の向上を図り、さらなる検査品質向上と患者サービスの充実に取り組んでいきたいと考えています。

※本カスタマーボイスはお客様の使用経験に基づく記載です。製品の仕様値として保証するものではありません。

製造販売:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
マルチスライスCTスキャナ Revolution
認証番号:226ACBZX00011000
アドバンテージワークステーション
認証番号:20600BZY00483000
AWサーバー
認証番号:22200BZX00295000

JB15187JA

各モダリティの導入事例(VOC)一覧

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