第三話 「外部保存」とPACSの関係は?
(#2 PACSのストレージ構造) [Page 3/3]

今回のキーワード: ストレージ、SSD、RAID、STS/LTA、検像、確定

イチロー: 「じゃあ、両者の違う部分に注目してみようか。『検像』は誰が行う行為かな?」
くらら: 「診療放射線技師です。」
イチロー: 「じゃあ、『確定』は?」
くらら: 「診断に用いた原本として書き換えできない状態にする行為ですから、えーと、あ、ドクターがするんですか?」
イチロー: 「その通り。『確定』は、ドクターが行う場合もあり得るね。もちろん技師が行ってもいい。実は、もうひとつ方法があるよ。わかるかな?」
くらら: 「うーん、ドクターと技師以外に誰かいるかしら?」
イチロー:
「実はPACSというシステム自身が『確定』させるという方法がある。いわゆる自動確定という運用なんだ。うちの病院も自動確定を採用していて、PACSで受信した後、24時間経過すると自動的に『確定』されるんだ。時間は病院ごとに設定で決められるみたいだよ。自動確定で運用する場合は、そのことを『運用管理規程』に明記する必要があるよ。
くらら: 「なるほど、画像の『確定』には、①医師による確定、 ②技師による確定、③システムによる自動確定、 の3つがあるんですね。」
イチロー: 「そうだね。『検像』や『確定』についてもっと詳しく学びたかったら、平成26年8月に日本放射線技術学会から発行されている『画像情報の確定に関するガイドライン第2.1版』を読んでおくといいよ。さて、今まで話してきた画像の発生からの流れ全体を図でまとめてみると、こんな感じになるよ。」
くらら: 「外部保存をする場合は、どこがどう変わるんですか?」
イチロー: 「同じく図で示してみようか。こんな感じだね。」
くらら: 「外部保存では、『確定』された画像データ、すなわち電子保存の原本データを院外のデータセンターなどで保管するんですね。」
イチロー: 「そう、その通りだね。院内PACSと外部保存の関係がわかったところで、次は、なぜ外部保存が注目されているのか、外部保存のメリットとデメリットを理解しておきたいね。次回は、その点を中心に学んでみようか?」
くらら: 「はい!よろしくお願いします!」