第三話 「外部保存」とPACSの関係は?
(#2 PACSのストレージ構造)
[Page 2/3]
今回のキーワード: ストレージ、SSD、RAID、STS/LTA、検像、確定
くらら: |
「エスティーエスとエルティーエーですか。どちらもハードディスク、すなわちRAIDなんですか?」
|
イチロー: |
「昔はハードディスクが高かったから、LTAにはCDとかDVDとかテープを使うことが多かったんだ。ただ、こうしたメディアはデータの読み書きにすごく時間がかかるのが欠点なので、今はSTS、LTA共にハードディスクを使うことが多くなっているね。」
|
くらら: |
「うちのPACSはどうなんでしょう?」
|
イチロー: |
「前回更新した時から両方ともRAIDになっているよ。さて、話を戻して、画像データの保管の流れをおさらいしてみよう。前回話したように、画像データはモダリティから発生するよね。前回の復習だけど、次にどうなるんだっけ?」
|
くらら: |
「えーと、DICOM通信で、主に非圧縮でPACSに送信されて、PACSは受信したデータを可逆圧縮して 保存する、でしたっけ?」
|
イチロー: |
「そう、その通り!よく覚えているね。ただし、フィルムレス運用の特徴として、モダリティとPACSの送受信の間に『検像』という行為があるから覚えておいてね。」 |
くらら: |
「あ、一般撮影ゾーンでベテランの方がやってらっしゃいますよね。あれが検像ですよね?」 |
イチロー: |
「そう。我々技師が撮影した画像が、診断に用いるのに適切な内容や画質になっているかチェックして、必要に応じて修正するのが『検像』だね。」
|
くらら: |
「じゃあ、モダリティ→検像システム→PACS、という順でデータが流れるんですね?」
|
 |
イチロー: |
「当院ではその流れだね。ただ、検像のためのシステムが必ずなければならない、ということではないん だ。モダリティのコンソール上で十分にチェックして直接PACSに送信する場合もある。病院ごとや、検査ご とに運用ルールを決めて構わない。大事なのは、正しくて診断に適した画像を適切なタイミングで提供する ことだからね。」 |
くらら: |
「はい、わかりました!PACSに入った後はSTSからLTAにコピーして二重化されるんですよね。」
|
イチロー: |
「そうだね。でも、いつコピーされるか知ってるかな?」
|
くらら: |
「え?いつって言われても・・・、わかりません、教えてください!」
|
イチロー: |
「うちの病院では、STSに入った後、『確定』されてはじめてLTAにコピーされるんだよ。」 |
くらら: |
「かくてい?」 |
イチロー: |
「そう、『確定』。診療(診断)に用いた原本として書き換えできない状態にすることだね。」
|
くらら: |
「『検像』とは違うんですか?」 |
イチロー:
|
「『検像』イコール『確定』ではないよ。『検像』した後でも、まだ診断に用いていなければ修正して上書きすることは可能だからね。でも、『検像』した時点で、『確定』とする運用もあると思う。」
くらら: |
「『検像』と『確定』かぁ。なんか区別がしづらいですね。」 |
|

診断用の原本として画像データを確定するのは誰の仕事?