第四話 外部保存のメリットとは?(#1 災害対策と設置スペース)
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今回のキーワード:災害対策、ASP、SaaS、PaaS、IaaS、設置スペースの削減、
            電気代の削減

イチロー: 「19インチ・ラックは、だいたい幅が60cmくらい、奥行は1mくらいと考えていいよ。ただし、前と後ろは、人間が 作業するスペースとして2.5m以上必要と言われてるんだ。横の通り抜けを含めて、ラック1本あたり2.5m x 1.8mで約4.5㎡が必要なんだ。ラック2本なら6.0㎡が必要だよ。」
くらら: 「外部保存にすると、どのくらいのスペースを削減できるんですか?」
イチロー: 「外部保存で減らせるのは、データ管理用のサーバ、データそのものを保管するストレージ装置、それらの電源供 給を安定させるUPS(無停電電源装置)などだね。データ量にもよるけど、数十TBから数百TBだとして、ラック 1本から2本程度かな。」
くらら:  

「先ほどのお話しからすると、4.5~6.0㎡くらいを節約できるんで すね。うちの病院のサーバ室は、少し余裕があるから、スペース的には無理して外部保存にする必要はないんじゃないですか?」

 

イチロー: 「注意しなければならないのは、今は余裕があるように 見えるけど、システム更新の時を考えておかなければなら ないってことなんだ。」
くらら: 「どういうことですか?」

 

イチロー: システム更新の時には、旧システムを運用しながら、新システムの稼働準備をするよね。データ移行も新旧両 方のシステムが同時に動いている必要があるでしょ。だから、スペース的には、通常運用しているシステムの約2倍の設置スペースが必要なんだよ。」
くらら: 「うわー、2倍だと少し厳しいですね!」
イチロー: 「そうなんだ。サーバを置く部屋は、セキュリティ対策としての入退室管理も必要だし、空いている部屋ならどこで もいいって訳じゃないからね。そういう事情もあって、当院でも外部保存に期待してるんだ。」
くらら: 「システム更新って、注意が必要なんですね。これってもしかして、③の電源や空調にも関係あるんじゃないです か?」
イチロー: 「よく気が付いたね。その通りだよ。外部保存にする ことでサーバやストレージなどのハードウェアが減る から、システム更新時の電源工事費を減らしたり、 なくしたりすることもできるかもしれないよね。」

 

くらら: 「メリットがあるのは、システム更新の時だけですか?」
イチロー: 「いや、サーバやストレージを減らすことが出来れば、 それらのハードウェアが消費するはずだった月々の 電気代や、それらを冷やすエアコンの電気代も節約できるよ。
くらら: 「なるほど、そちらは外部保存にすると、確実に減らすことができるコストですね。」
イチロー: 「そうだね。なかなか電気代の試算は難しいけど、確実に減るのは間違いないね。」
くらら: 「次は④の初期投資費用やキャッシュフローについてですが、キャッシュフローって経済用語ですよね?ちょっと取っ 付きづらいなぁ。」
イチロー: 「そんなに難しく考えなくても大丈夫だよ。でも、だいぶ時間も遅くなってきたから、この続きは次回にしようか?」
くらら: 「はい!いつも遅くまで教えてくださってありがとうございます!次回も楽しみにしてます!」