第四話 外部保存のメリットとは?(#1 災害対策と設置スペース)
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今回のキーワード:災害対策、ASP、SaaS、PaaS、IaaS、設置スペースの削減、
            電気代の削減

イチロー: 「うーん、それはちょっと違うんだよね。広い意味ではクラウドの一形態とも言えるけど。」
くらら: 「?? どういうことですか?」
イチロー: 「一般的に、クラウドって言うときは、ASPとかSaaSを指すことが多いんだよ。」
くらら: 「??? エーエスピー?さーす?」
イチロー: ASPっていうのは、Application Service Providerの略で、SaaSは、Software as a Serviceの略だよ。どちらも、データセンター側にあるソフトウェアを、ユーザがダウンロードしたり、Webサービスみたいな形で『直接使う』形態なんだ。」
くらら: 「外部保存の場合は、どうなんですか?」
イチロー: 「外部保存でも、データセンター側に、データを送受信するDICOMアプリケーションや、データ管理用のソフトウェアなどが動いているけど、ユーザが『直接使う』部分は少ないので、SaaSとはちょっと違うと思う。」
くらら: 「広い意味ではクラウドの一形態っていうのは、どういうことですか?」
イチロー: 「クラウドには大きな分類として、SaaS、PaaS、IaaSなどがあるんだ。」
くらら: 「さーす、ぱーす、いあーす、ですか?」
イチロー: 「そう。SaaSはさっき説明したね。PaaSっていうのは、Platform as a Service、IaaSは、Infrastructure as a Serviceの略なんだ。IaaSは、データセンターにあるハードウェアを利用するサービスで、PaaSの例としては、データセンターにソフトウェアの開発環境が用意されていて、それを使って開発したソフトウェアをそのままSaaSとして販売したりするものがあるよ。」
くらら: 「そうすると、外部保存はIaaSに近い感じですね。」
イチロー: 「そうだね。外部保存はIaaS型のクラウドサービスと言えるだろうね。データセンター側にDICOM画像の Webビューア・アプリケーションがあって、それをユーザが 『直接使う』場合には、SaaSモデルとも言えるだろうね。」

 

くらら: 「良く分かりました!ひとまず、外部保存は外部保存と して考えれば良さそうですね。ところで、先ほどの10個の メリットについて、それぞれ詳しく教えていただけますか?」
イチロー: 「オッケー。じゃあまず、①の災害対策から考えてみよう。さっき、大規模災害で病院内のデータが失われても、データセンターに預けてあれば、データを守ることが出来るって話をしたよね?でも、病院とデータセンターがすぐ近くにあって、同時に被災したら意味がないよね。だから、病院とデータセンターとの間は十分な距離が保たれている必要があるよ。」
くらら: 「でも、契約しようとしたベンダーのデータセンターがたまたま近くにあったら困りますね?」
イチロー:  

「そう、だからほとんどの外部保存ベンダーは、2か所以上のデータセンターを用意していて、なおかつデータセンター間でデータを冗長化することで、より安全性を高めているよ。」

 

くらら: 「なるほど!それなら安心ですね。」

 

イチロー: 「そうだね。じゃあ、次に②の設置スペースについて考え てみよう。サーバ室は見たことある?あそこに並んでいる19インチ・ ラックは1本あたりだいたい42Uぶんの機器が収められるんだ。」
くらら: 「42ゆー?」
イチロー: 「うん、UっていうのはUnitの頭文字で、国際的な規格として1U=1.75インチ(44.5mm)と決められているんだ。ラックに搭載することを想定したサーバやストレージなどは、この規格に合わせて作られてる。例えば、3Uの高さのサーバなら、42Uラックに14台入れられるってことだね。」
くらら: 「スペース的にはどの程度必要なんですか?」

  

外部保存をしたらどの位のスペース削減が可能か?